Subject : ディスクロージャー(情報開示)
カテゴリー : ビジネス
ディスクロージャー(disclosure )
-
一般に、企業などが投資者や債権者などの利害関係者に対して、経営や財務の状況をはじめ、各種の情報を公開すること。またはそれを義務付ける情報開示制度をいう。
英語のdisclosureは「隠れていたことが明るみに出ること」で、幅広い意味で情報公開をいう。政府や公共団体、公的機関などにおける情報公開制度、医療機関のカルテ開示、一般企業における製品リコール情報、環境関連情報、トレーサビリティ情報の公開など(これらはCSRの一環と見ることができる)も広義のディスクロージャーに含まれる。また、ITの分野ではソースコードの公開なども“ディスクロージャー”と表現されることがある。
日本のディスクロージャー制度は、証券取引法によって定められたものと商法によって定められたものがあり、株式上場会社の場合は証券取引所などの要請に基づくものがある。また、企業のIR活動の一環として行われる任意の情報開示を含める場合もある。
これらは基本的に、投資家が投資判断を行うのに必要な資料を提供するために有価証券発行体によって行われるもので、事業内容や財務状況などを正確・公正かつ適時に開示することで、投資家保護(投資家の自己責任)を図ることが目的である。
証券取引法では、上場企業に対して事業年度ごとの有価証券報告書と半期報告書を、新株発行時には有価証券届出書を内閣総理大臣に対して提出することを定めている。商法では、大会社に対して株主総会の招集通知に計算書類を添付すること、本店などで計算書類の閲覧を許容すること、株主総会に遅滞なく貸借対照表と損益計算書(またはその要旨)を公告することが義務付けられている。
証券取引所などの自主規制機関では開示規定を設け、投資家の判断に影響する可能性のある事柄を適宜開示すること(タイムリー・ディスクロージャー)を求めている。これによって上場企業は業績予想(修正)、代表取締役の異動などに関して、決算短信の配布や記者発表などを行うことになる。
証券取引法ディスクロージャーについては、2000年5月に「証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律」が成立して以降、順次電子化が実施されており、2001年6月には「EDINET」が稼働している。商法ディスクロージャーに関しても、2001年4月の改正商法施行によりWebサイトへの貸借対照表・損益計算書(過去5年分)の掲載をもって公告に代えることが認められており、2005年には電子公告の制度が登場した。
証券取引所ディスクロージャーの電子化では、例えば東京証券取引所が「TDnet(Timely Disclosure network)」を構築し、1998年4月から稼働を開始した。東証上場会社は重要な会社情報が生じた場合、直ちにTDnetへ登録することが義務付けられている。
⇒
BSC (バランスト・スコアカード)
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]