Subject   : ICM (intellectual capital management)

カテゴリー : ビジネス


 ICM (intellectual capital management)
 “知識”“人材”“信頼”など、財務諸表に表れることのない目に見えない資本、すなわち知的資本(intellectual capital)を中心的な経営資源としてとらえ、企業の成長と価値創造を実現しようという経営モデル。

 従来的な資本主義は、現金や投資などの“金融資本”を設備や施設などの“有形資本”と循環的に交換する中で価値を生み出していくというモデルであった。しかし、工業化社会から情報化社会・知識社会へと変化する中で、会計上表現されない無形資産が価値を生み出す要素として重要であるという観点から“知的資本”に注目が集まるようになってきた。

 知的資本とは、社内外の人材(知識、経験、能力、創造性、関係性)、バリューを生み出す仕組み(組織・構造、企業文化、ビジネスモデル、情報システム、ITケイパビリティ)、顧客との関係(顧客資産、評判、信頼、ブランド、カスタマ・ロイヤリティ、顧客満足)、そのほかの知的財産(特許、商標、著作物、情報資産)などで、これを継続的に創造、調達、活用することでどのように企業価値を上げていくかが経営的なテーマとなる。また株主・投資家に対して、知的資本の価値をどのように評価・指標化し伝えるのかが会計上のテーマである。

 先駆的な事例として、国際金融・保険グループ スカンディアによる取り組みが有名で、同社では知的資本を「人間が未来の価値創造に生かすことのできる経験から得たさまざまな見識」と定義している。

 この経営モデルを実践・支援するための情報システムもICM/ICMシステムといい、企業内の知識や経験、方法論、アイデアなどを構造化・標準化し、関係者が共有、再利用できるようにしたものをいう。コンテンツの登録/分類/検索、レコメンデーション、ソーシャルネットワークの機能を有するもので、従来の「全文検索」「コンテンツマネジメント」「ナレッジマネジメント」などを統合した新しいアプリケーション分野として注目される。

 また、グループウェアやイントラネットによる社員の知識共有や、守秘義務契約締結による知識流出防止なども知的資本管理の手法の1つとして挙げられる。

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