在庫循環（inventory cycle）

　在庫投資の循環的変動のことで、在庫投資循環ともいう。在庫投資の変動が景気循環に強い影響力を持っているので、在庫投資を主因とする景気循環を在庫循環と呼ぶことも多い。

　景気変動の要因として設備投資を無視することはできないが、短期の景気変動（小循環）は在庫投資の変動によるものとされている。出荷と在庫の伸び率を縦軸と横軸にとると在庫循環図を描くことができる。モノが売れはじめると出荷が増え在庫が減る「回復局面」に入り、企業は旺盛な需要にこたえようと在庫を積み増していく。ところが、モノが売れなくなると在庫が積み上がる「調整局面」に入り、生産や出荷を抑えて在庫を減らそうとする。

● 在庫投資（inventory investment）

　在庫の増減分を指し、生産者の原材料在庫投資、製品在庫投資、仕掛かり品在庫投資、流通業者の販売在庫投資などがある。
　在庫投資は、企業の思惑や金融の動向に敏感で変動が激しく、特に在庫の増加（減少）分を重視するので、仮に在庫水準が減っていても、その減り方が落ちれば、有効需要の面からは増加になるという働きがあり、景気変動に及ぼす影響は大きい。

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