Subject   : アルミニウムの精錬

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 アルミニウムの精錬
 アルミニウムは、鉱物のボーキサイトを原料としてホール・エルー法で生産されるのが一般的である。ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理し、アルミナ(酸化アルミニウム)を取り出した後、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム、Na3AlF6)と共に溶融し電気分解を行う。
したがって、アルミニウムを作るには大量の電力が消費されることから「電気の缶詰」と呼ばれることもある。ちなみに、ホール・エルー法での純度は約98%なので、より高純度なアルミニウムを得るには三層電解法を使う。

1トン当たりの電力使用量は銅で1200kWh、亜鉛で4000kWhであり、アルミニウムの精錬には銅の約11倍、亜鉛の約3.5倍の電力が必要となる計算になる。。

■ ホール・エルー法
唯一実用化されているアルミニウムの製錬方法。1886年にアメリカのチャールズ・マーティン・ホールとフランスのポール・エルーによりそれぞれ独自に開発された。

ホール・エルー法では、まず融剤として氷晶石(現在は蛍石から合成できるヘキサフルオロアルミン酸ナトリウムの合成品が用いられている)とフッ化ナトリウムを電解炉により1000°Cほどで融解する。そして、ボーキサイトから精錬した酸化アルミニウムを5%程度入れて溶解させ、炭素電極で電気分解を行う。分解されたアルミニウムは融けて陰極に溜まり、酸素は陽極と反応して二酸化炭素となるが、800°C以上では炭素電極とさらに反応して一酸化炭素となる。

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