Subject : ソーダ工業
カテゴリー : 学びの館 > 化学
ソーダ工業
-
ソーダ工業は、塩を原料に、幅広い産業分野の原料・副原料、反応剤などに使われる化学薬品を製造する工業で、基礎素材産業の一つです。わが国におけるソーダ工業は、塩水を電気分解して、か性ソーダ、塩素、水素を製造する「電解ソーダ工業」と、同じく塩を原料に、炭酸ガスやアンモニアガスを反応させてソーダ灰を製造する「ソーダ灰工業」とから成り立っています。
電解ソーダ工業の特徴は、塩水の電気分解によって、か性ソーダ、塩素、水素という全く性質の異なる製品が、常に一定の比率(質量比で、1:0.886:0.025)で製造されることです。特に、需要分野の違う、か性ソーダと塩素、両製品の需給バランスを常に考慮しながら操業することから、別名「バランス産業」とも言われます。さらに、電解ソーダ工業の主要な原料である塩と電気において、塩がすべて海外から輸入されることおよび、電力が、製造コストの約3割を占めることも特徴の一つです。
電解ソーダ工業では、か性ソーダ、塩素、水素が製造されますが、この内、塩素は、直接ガスのまま消費される他、液体塩素、塩酸、次亜塩素酸ソーダ、高度さらし粉などの塩化物として製品化されます。
これら塩化物と、か性ソーダ、ソーダ灰を、特にソーダ製品と呼んでいます。これらの化学製品は、さまざまな産業分野で直接または間接に使用され、私たちの生活に欠かせない各種製品をつくるために役立っています。このため、ソーダ工業の発展の度合いが、その国の経済活動や産業発展の一つの目安になるとも言われ、国民生活の向上と産業活動の発展に重要な役割を果たしています。
わが国の電解ソーダ工場は、大きく二つのタイプに分けられます。石油コンビナートに立地したコンビナート型と、地場産業的な性格を持つ地域立地型です。コンビナート型は、塩化ビニル工業と関連して、原料塩素の供給にウエイトを置き、電解設備も比較的大きな規模となります。一方、地域立地型は、全国各地に立地し、各地のさまざまな産業に、か性ソーダや各種の塩化物を供給していますが、設備は比較的中規模なものが多くなっています。
- ■
-
⇒
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]