Subject   : ガストフロント (gust front)

カテゴリー  : 気象  


 ガストフロント (gust front)
 ガストフロント (gust front) とは、積乱雲からの冷たい下降気流が水平に吹き出し、周囲の暖かい空気と衝突した際にできる、上昇気流を伴った小規模な前線のことである。付近では突風が吹くことがある。gustは突風、frontは前線を意味し、かつては突風前線、陣風前線とも呼ばれた。

発達する積乱雲内では、雨粒や霰などが空気を引きずり下ろすとともに蒸発などにより空気を冷やすことで、特に成熟期から消滅期において下降気流(下降流)が生じ、時にこれが強まる。

下降流は地表に達すると、地表に沿い水平に四方へと流れ出す。これを冷気外出流 (cold outflow) といい、周囲の暖かい空気に対して冷たい流れが密度の差によって生み出されている一種の密度流(重力流)である。ここで生じている暖かい空気と冷たい空気の衝突面あるいは線をガストフロントと呼ぶ[5][6][1][3]。outflow boundary(噴流境界)と呼ばれる場合もある。

また、冷気外出流の中には強い下降流によって急激に風速が増すものがあって、一定以上の風速増加があるものをダウンバースト (down burst) と呼ぶ。ダウンバーストの下降流と周囲の暖気との境界にもガストフロントは形成される。

四方へと流れ出す冷気外出流が形成するガストフロントは上空から見て円弧状になるが、複数重なるなどして直線に近くなるものもある。ガストフロントの大きさは水平方向に数十から100キロメートル、鉛直方向の厚さは数百から2,000メートルである。周囲の風の状況によっては、母雲である雨域から数十キロメートル風上に先行して現れることがある。

 

<出典:Wikipedia>
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