Subject : 狂女フアナ
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狂女フアナ
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1496年、スペイン女王イサベルの次女ファナ(Juana)は、ハプスブルク家の長男フィリップと結婚した。フアナはフィリップの美しい姿に一目惚れし熱愛する。フィリップはそんなファナが負担になり、別な女性に手を出し始めた。敬虔なファナは苦しみ、次第に狂っていった。
翌年には、兄のフアンと姉のイサベルが相次いで亡くなり、ファナが王位継承者となった。1504年、母イサベルが死去し、ファナがカスティーリャ女王となった。
夫も自動的にカスティーリャ王フェリペ1世となるが、2年後に急死した。ファナは完全に正気を失い、夫の遺体を持って国中をさまよった。彼女は狂女ファナ(Juana la Loca)と呼ばれ、3年後にはトルデシリャス(Tordesillas)のサンタ・クララ修道院に幽閉された。
彼女には二人の息子がいた。1517年、フランドルに育った長男カルロスは初めてスペインの土を踏み、母と面会した。ファナは息子をほとんど認識できないまま、「カスティーリャの王位を委ねる」とつぶやいた。彼女は女王のまま40年以上幽閉され、1555年に75歳でこの世を去った。そして息子のカルロスが正式に国王に即位した。
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<出典: 日本大百科全書(小学館) >
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