Subject : インカ帝国
カテゴリー : 歴史 >
インカ帝国
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ペルー南部のクスコを中心に、15世紀から16世紀にかけて繁栄したインカ族の国。最盛期にはエクアドルからチリにまで及ぶ大帝国となった。太陽神を信仰し、その子とされる王を頂点とする君主制をとった。巨石建築物や黄金細工、織物などの高い文化を有したが、文字はない。1533年、スペインのピサロによって最後の王アタワルパが処刑され、滅亡。クスコやマチュピチュに遺跡が残る
1200年頃、ケチュア族(インカ族)のマンコ・カパックが、ペルー南部のクスコにクスコ王国を建国した。この王国はインカ帝国の前身で、クスコ周辺から海岸部へと勢力を拡大していった。
1438年に即位した第9代皇帝パチャクテクは、周辺諸国を次々に征服し、エクアドルからチリにおよぶ広大なインカ帝国(Inca)を作り上げた。インカ帝国はケチュア語を公用語とし、太陽を崇拝した。皇帝は太陽の化身として専制的な権力をふるい、数多くの神殿や要塞、道路を建設した。
特に道路はエクアドルからペルー、チリ中部まで帝国を縦断していた。谷には吊り橋がかかり、石畳の道や階段が整備された。この道路は帝国の発展に大きく貢献したが、スペイン人の侵略の手助けにもなった。沿道にはチャスキと呼ばれる飛脚が配備され、クスコまで走って情報を伝えた。伝達は口頭によるものだったが、キープと呼ばれる結縄も使われた。
急峻な地形のため人力あるいはリャマ、アルパカに載せて物資を輸送するしかなく、車輪は発明されなかった。
インカ帝国はヨーロッパ人による呼称。インカ人は自身の国土をタワンティンスーユ(「四つの地方」の意)
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<出典: 日本大百科全書(小学館) >
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