Subject : 三十年戦争
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三十年戦争
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三十年戦争は名前の通り30年間絶え間なく続いたのではなく、数ヶ月から2年程度の小康状態を挟んで断続的に続いた。当時はほとんどの軍が長期間統制しにくい傭兵によって賄われており、国王直属の常設軍隊は稀であったからである。また、長期の戦争を継続することは国家財政を圧迫するため、息切れするかのように戦争が中断されることになった。しかし、戦争が長引くとインターバルの期間は次第に短くなり、三十年戦争の最終段階では13年間にもわたる戦闘が繰り広げられた。
この戦争は4つの段階に分類することができ、後になるほど凄惨さを増していった。この4段階にわたる戦争はそれぞれハプスブルク帝国に対抗する勢力ないしは国家の名前をとって下記のように呼ばれている。
第1段階:ボヘミア・プファルツ戦争(1618年 - 1623年)
第2段階:デンマーク・ニーダーザクセン戦争(1625年 - 1629年)
第3段階:スウェーデン戦争(1630年 - 1635年)
第4段階:フランス・スウェーデン戦争(1635年 - 1648年)
三十年戦争は新教派(プロテスタント)とカトリックとの間で展開された宗教戦争と捉えられることが多いが、それはこの戦争の単なる一側面に過ぎない。当初は宗教闘争に名を借りた民族対立の様相を呈していたが、戦争の第2段階から徐々に国家間の権力闘争の側面が露わになり、ヨーロッパにおける覇権を確立しようとするハプスブルク家と、それを阻止しようとする勢力間の国際戦争として展開することになった。
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<出典: 日本大百科全書(小学館) >
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世界史年表
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