Subject : 石器時代のテクノロジー
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石器時代のテクノロジー
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石器時代において、人類はその生活の中でほとんど道具を使わず、数少ない道具は代々受け継がれていった。そんな時代でのテクノロジーは、その環境におけるサバイバルや狩猟や食料採集と深く結びついていた。この時代の主な技術的進歩としては、火、石器、被服がある。石器時代の文化としては(原始的な)音楽があり、文化と文化の衝突として戦争があった。一部の石器時代人は大洋航海可能なアウトリガー付き船舶技術を開発し、マレー諸島を越えインド洋を横断してマダガスカルに移住したり、太平洋を横断したりした。これには、海流、天候、帆走術、天文航法、星図といった知識や技術を必要とする。石器時代初期は、亜旧石器時代または中石器時代と呼ばれる。前者の用語は氷河の影響が限定的だった地域での石器時代初期を指すことが多い。初歩的な農耕技術が開発された石器時代後期を新石器時代と呼ぶ。この時代の磨製石器は、燧石、ヒスイ、ヒスイ輝石、緑色岩などの硬い岩石から作られ、当初は地表に露出した岩盤を採石場にしていたが、後に貴重な石を求めて穴を掘って探すようになり、鉱業技術の始まりとなった。磨製石器の斧は森林を伐採して農地にするのに使われ、非常に便利だったため青銅器時代や鉄器時代になっても使われ続けた。
旧石器時代の文化では、何かを書いて記録を残すということがなかったが、狩猟採集の放浪生活から農耕を基盤とした定住生活への転換は考古学的証拠からある程度推定できる。証拠としては例えば、太古の道具、洞窟壁画、ヴィレンドルフのヴィーナスなどの先史時代の芸術品がある。人骨やミイラも直接的な証拠を提供する。具体的な証拠は少ないが、先史時代の人類の生活様式とその生活においてテクノロジーが果たした役割について、科学者や歴史家は有意な推論を形成することができた。
- ● ハンドアックス(握斧)
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握斧。打製石器で、石材のまわりを全面的に打ち掻いて、手で握ることの出来る形に整形する。原石の核(本体)を使うので石核石器の一種である。旧石器時代の最も一般的な石器。150万年前から現れ、30万年前頃まで続いたもの。
- ● 剥片石器
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石核ではなく、剥片(はくへん:削り取った部分)を利用する高度な石器製造技術。より鋭利な石刃を造ることが出来、打製石器技術が高度に発達したことを示す。ヨーロッパの旧石器文化ではムステリアン文化といわれ、剥片を打ち出す技術はルヴァロワ技法という。(ネアンデルタール人)
- ● 石刃技法
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新人段階のクロマニヨン人からみられる石器製造技術で、石の面に連続して打撃を加え、多量の石刃を剥離させ方法。旧石器時代の後期旧石器文化にあたる。ヨーロッパでは4万年ほど前に始まる技法で、その文化をオーリニャシアン文化と呼んでいる。
<出典: 日本大百科全書(小学館)、今西錦司他『世界の歴史1 人類の誕生』1989 河出書房 >
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