Subject : 中世ヨーロッパのテクノロジー
カテゴリー : 歴史 >
中世ヨーロッパのテクノロジー
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中世ヨーロッパにおけるテクノロジーの状況をよく表す言葉として traditio et innovatio(伝統と革新)がある。
従来、中世ヨーロッパのテクノロジーは教会によって進歩が阻まれていたと言われ、現代の著作でも教会を科学技術の発展を阻害する悪者として描いたものがあるが、リン・ホワイトなどのアメリカの科学史家らは1940年代ごろから、中世にも様々な技術革新があったと主張している。中世ヨーロッパの発明と言えるものとしては、機械式時計、眼鏡、垂直型の風車などがある。中世の発明品としては、透かしや押しボタンといった一見して目立たないものもある。また、大航海時代をもたらした船や航法に関する発明として、舵の改良、大三角帆、乾式コンパス、アストロラーベなどがあった。また水車の普及がヨーロッパ中に拡大することにより、動力としての水力の利用が一般的になる。粉ひき、木材、石切り、鉱山でも使用された。その後近世になると水力利用は冶金、造船など使用範囲が拡大し工業化、産業革命につながる。
軍事テクノロジーでも多大な進歩があり、プレートアーマー、鉄製クロスボウ、トレビュシェット、カノン砲などが開発された。中世の建築ではリブ・ヴォールトと尖頭アーチを多用したゴシック建築がある。また、中世は防御施設が数多く建設された時代でもあり、'age of castles'(城の時代)とも言われている。
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