Subject   : ポリス(都市国家)

カテゴリー  : 歴史  


 ポリス(都市国家) 
 古代ギリシアにおける市民の民主政が行われた政治形態。一般に都市国家と訳される。

 ミケーネ文明が崩壊し、暗黒時代といわれたの400年間に鉄器の使用などが普及し、前800年頃からはギリシア本土に人々の集住(シノイキスモス)が進行し、ポリス(Polis)が形成された。ポリスは「都市国家」(city-state)と訳されるが、通常考える現代の都市とも国家ともちがったものである。

 都市とは言っても、商工業者や労働者や官僚たちの居住区ではなく、原則として土地所有農民を基幹として、商工業者とともに構成される市民団が居住する市域を中心に、周辺に彼ら農民のクレーロス(本来は共同体の共有地であったものを「持ち分地」としたもの)が広がっている。また、国家とは言っても職業的な官僚や常備軍は存在せず、市民団が直接に国家の機構を運営していた。

 ギリシア国土は平地も少なく、オリエントのような統一的な専制国家は出現しなかった。そのかわり、このようなポリスが発達し、大小200ほど存在した。その規模、内容はさまざまであるが、市民の数も数百から数千が普通で、アテネとスパルタは例外的な広域ポリスである。

● アクロポリス
 古代ギリシアのポリスの中心部に位置した丘。

 古代ギリシアにおいて、ポリスに人びとが集住する際に、その中心として神殿を設けた城山のこと。ポリス形成期には、王の居城であったと思われるが、民主政の発展とともに、ポリスの守護神を祭る神殿になったものと思われる。アテネのアクロポリスは特に有名で、パルテノン神殿をはじめとしたいくつかの遺構が現在も残っている。その南麓にはディオニュソス劇場がある。

● シノイキスモス
 古代ギリシアのポリスの中心部に位置した丘。

 古代ギリシアのポリス形成以前に存在した村共同体(コーメー)が統合され、貴族層を中心として、アクロポリスの周辺に集まり住んでポリス共同体を構成したことをシノイキスモスという。

  ⇒ 世界史年表

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