Subject   : BRICs(ブリックス)

カテゴリー : 世界からの情報


  BRICs(ブリックス)
 BRICsは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字をとったもので、アメリカの大手証券会社、ゴールドマンサックスが昨年秋に発表した「BRICsと夢見る――2050年への道」と題する投資家向けレポートで初めて使われた。以来、有力新興国を表す言葉として、しばしばマスコミで取り上げられるようになってきている。  証券会社ゆえ、投資判断に視点を置いていることもあり、多少割り引いて考える必要もあるかもしれないが、かなり衝撃的な内容が含まれていたため、次第に取り上げられる機会も増えてきたようである。

BRICs諸国には

・国土が広大で、天然資源が豊富である
・人口が多く、若い労働力が豊富にある
・労働力単価が安く、低コストで製品を生産できる
・人口が多いので、市場としても有望である

などの、経済発展が見込まれる理由の共通項があります。そして経済成長のスタイルを細かく分析してみると、BRICs4カ国は2つのタイプに分けられます。

ひとつは生産力(労働力)を武器にする中国とインドです。既に日本でも「made in China」の製品が溢れ返っている事からも分かるように、中国は安い労働力を武器に、日本やアメリカ等の先進国の工業製品の生産を請け負い「世界の工場」と呼ばれるまでになりました。そして、中国と似た経済発展を遂げつつあるのが、やはり労働力が安価で豊富なインドです。この二カ国は、先進国の生産工場としての機能を満たす事で、近年の高度成長を成し得ているのです。

対照的にロシアとブラジルは、この二カ国と全く異なるスタイルで経済成長を続けています。ロシアは原油(石油)や天然ガスの生産高が世界一で、ブラジルも鉄鉱石の輸出量が世界一を誇っているなど、豊富な天然資源の輸出が、高度成長を支えています。特に近年は、原油を筆頭に資源商品の市場価格が高騰の一途を辿っており、当面はその傾向が続くと見られています。ロシアとブラジルは、当分の間は資源商品の輸出によって潤うだろうと予測されています。

そしてBRICs諸国は、ブラジル以外の3カ国は国が為替介入を行って、世界の基軸通貨と言えるアメリカドルとの為替レートを安定化させるよう勤めています。それぞれスタイルは異なっても、BRICs諸国が輸出産業によって経済成長を続けており、為替レートがドル安になれば、利益が大幅に減ってしまいます。その為ブラジル以外の三カ国は「ドル買い=自国通貨売り」の為替介入を随時行う事で、輸出が増えて為替がドル安になることを防いでいます。
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