Subject  : くも膜下出血

カテゴリー: 健康・医療情報 


 くも膜下出血
脳は脳軟膜、くも膜、脳硬膜の3つの膜で覆われています。このくも膜と脳軟膜の間には血管が多数あり、この血管に動脈瘤や血管奇形があって血管壁が破れ、くも膜と軟膜の間に出血するのがくも膜下出血です。前駆症状がなく、突然はげしい頭痛とおう吐が起きます。しばらくぼんやりすることも多いですが、意識障害を起こしたり、そのまま数十分で死ぬこともあります。原因の多くが、脳動脈にこぶができている脳動脈瘤や、動脈と静脈がくっついた脳動静脈奇形です。手術ができずに社会復帰が難しいケースもけっこうあります。 手術が成功しても時に脳血管痙攣(けいれん)を起こして 脳梗塞になってしまうこともあります。 脳出血と異なって手足がまひするようなことは少なく、男性より女性に多いのも特徴です。

 一般には警告症状として激しい頭痛が約50%をしめますが、その70%が1ヵ月以内に破裂しています。この頭痛は突然出現して、「これまで経験した事のないような激しいもの」と表現されます。その次に大切なものが視力、視野の障害や、物がだぶついたり、上まぶたが垂れ下がったり、瞳孔が大きくなったりする脳神経障害としての前兆です。瘤が大きくなったり、僅かに出血が起こったりすると激しい頭痛の他に吐き気や嘔吐が襲ってきます。
吐き気や嘔吐発作を伴う、かって経験したことがない激しい頭痛があったり、それと共に色々な目の症状があるようなら、なるべく早く専門医に受診しましょう!

● くも膜下出血の対処法
脳卒中の発作を起こした患者は、まず静かに水平に寝かせます。呼び掛けても反応がない、おう吐を繰り返す、呼吸が不規則、顔面蒼白などの時は動かさない方がよいのですが、できれば早急に医者に連絡して病院に運ぶことが大切です。いびきをかいたり、おう吐をする場合は、気道を確保するため、頭を低くしてあごを上げ、顔をやや横向きにし、衣類やネクタイを緩めて吐いてものどに詰まらないようにします。
脳動脈瘤が原因のくも膜下出血の場合は、再出血を予防するために開頭してすべての動脈瘤の根元をクリップで挟む方法が行われていました。しかし最近では、カテーテルで動脈瘤内に小さなコイルを入れてふさいでしまう方法が普及しています。この方がより安全で、予後もいい場合が多いようです。また、脳動静脈奇形の場合もカテーテルを使って奇形のある血管網に塞栓物質を注入する方法がとられます。
 ⇒ 脳出血

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