Subject : 肝炎
カテゴリー: 健康・医療情報
肝炎
-
肝炎とは、肝臓に炎症が起こった状態で、赤く腫れて熱を持ち、
触ると痛みを感じます。
単に「肝炎」というとウイルス性肝炎を指しますが、その他に
肝炎を起こす原因として薬剤、アルコール、アレルギー等があります。
日本人の肝炎の約80%が、肝炎ウイルスが原因といわれています。
肝炎の感染原因はなんであっても、症状は似ていますが、
発症の仕方や症状の経過から大きく3つに分類することができます。
突然的に発症し一過性の急性肝炎、6ヶ月以上症状のおさまらない
(検査数値が正常に戻らない)慢性肝炎、急性肝炎のうち特殊な
もので1週間から10日で死に至ることが多い劇症肝炎の3つがあります。
- ● 急性肝炎
-
急性肝炎はウイルスに感染してから数週間から数ヵ月後、または、
薬剤を初めて投与されてから数週間後に発症します。
一般的な症状としては、全身倦怠感、食欲不振、黄疸などです。
このような症状がでたら、血液検査などで肝炎の程度や
原因を調べる必要があります。
前駆期には、風邪のような症状(全身倦怠感、発熱、頭痛、
関節痛、悪心、食欲不振、右脇腹痛など)がみられます。
急性肝炎の治療法は入院して安静にしていることが基本です。
食欲がない場合は、点滴を行って体力の維持に努めます。
急性肝炎はほとんどの場合、数ヵ月で症状はおさまります。
- ● 慢性肝炎
-
慢性肝炎は急性肝炎が治りきらずに、肝細胞の破壊と修復が6ヶ月以上にわたって絶え間なく続いている状態をいいます。肝臓病の中で一番多いのがこの慢性肝炎で、一部は肝硬変へ進むことがあります。
人によっては、体のだるさや吐き気、食欲不振などの症状がみられることもありますが、一般的には慢性肝炎の自覚症状はほとんどありません。そのため、慢性肝炎と診断された人の大半は、検診などで偶然見つかったケースです。
なお、慢性肝炎の治療は検査結果に応じて行われますが、肝機能が安定している場合は特別な治療は必要ありません。
- ● 劇症肝炎
-
急性肝炎の中で約1%の方が劇症肝炎になるといわれています。初期症状は急性肝炎と同じですが、普通の急性肝炎の場合は黄疸が出て1週間もすると自覚症状が和らいできますが、劇症肝炎の場合はますますひどくなり肝性脳症という意識障害が出るのが特徴です。
最初の症状が出てから8週間以内に肝性脳症が出て、なおかつプロトロンビン時間(肝機能をみる指標の一つで健康な人を100%とします)が40%以下になると劇症肝炎と診断されます。 また、初期症状から10日以内に肝性脳症がでるものを、急性型、それ以降にでるものを亜急性型と分類しています。
劇症肝炎は脳浮腫、感染症、消化管出血、腎障害等の重い合併症を引き起こすことが多く、多臓器不全の病態を示します。そのため治療は、救命を目的とした全身的なものになります。劇症肝炎は、肝臓病の中でも死亡率がきわめて高く、70〜80%の人が死亡しています。
鼻血や歯肉出血など出血傾向、
脈拍が激しくなる、
呼吸が荒くなる、
表情が乏しくなる、
意識障害が出たりした場合には注意が必要です。
- ● 薬剤性肝炎
-
服用した薬剤が原因で肝障害を起こす病気です。これには2種類あって、薬そのものの毒性が肝臓を傷つけるものを中毒性肝障害、薬によってアレルギー反応が引き起こされ、過剰な免疫反応が肝臓を攻撃するものをアレルギー性肝障害といいます。
症状としては、発熱のほか、肝臓の腫大や黄疸がみられることです。黄疸の程度もかなり差がありますが、胆汁うっ滞のため、皮膚のかゆみを訴えることも多いようです。
- ● アルコール性肝炎
-
日頃からお酒を飲みつづけていた人が、何日間か集中して大量にお酒を飲むと起こる病気です。腹痛と発熱をともなって急激に発症します。
- ● 自己免疫性肝炎
-
免疫機構が何らかの原因で異常をきたし、肝障害を引き起こす病気です。圧倒的に若い女性、または更年期の女性に多いのが特徴です。
⇒
ウイルス性肝炎
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]