Subject  : 耳漏(耳だれ)と中耳炎

カテゴリー: 健康・医療情報 


 耳漏(耳だれ)と中耳炎
 耳だれのことを医学用語で耳漏と呼んでいます。耳をよく観察して、同時に現れた他の症状からいろいろな病気を考えることができます。子どもがカゼをひいて、数日たってから耳が痛くなり、その後さらさらした液体やねばねばした粘液が出て、さらに膿がまじっていれば急性中耳炎を疑います。それに対して大人の中耳炎は痛むというよりは、耳がつまった感じで、そのうちに耳だれが出てくる場合が多いようです。これは子どもの鼓膜は厚いために、膿がいっぱい溜まっても破れにくいのに、大人の鼓膜はうすいので簡単に破れるからです。いずれの場合も消毒液をふくませた綿で、耳の周りをよくふいてください。

 耳が痛くなり、耳たぶをひっぱったりおしたりすると痛みが強くなる時は急性外耳炎か耳のおできです。おできが破れると膿が出てきますが、中耳炎にくらべ、耳の穴のまわりに溜まっている程度ですから、消毒液をつけた綿棒でそっと膿をすくってきれいにしましょう。破けない場合は病院で切開してもらいましょう。慢性中耳炎で長い間治療を受けていたり、治療を中断しているうちに、耳だれが急に臭くなったり、頭痛やめまいが現れたら慢性中耳炎の真珠腫の疑いがあります。この病気は耳の骨を壊して脳の方に炎症が進行していることを示していますから、必ず診察を受けてください。耳がかゆいため耳の中をマッチ棒や楊枝、またはピンなどでかいていますと湿疹がひどくなって、さらさらした耳だれが出てきます。これは外耳道全体が炎症を起こしていますから、自分でかゆみ止めのクリームをつけてもよくならない場合は診察を受けてください。プールや風呂にもぐった後、やや臭いのある耳だれが出ることがあります。特に柔らかい耳アカの場合は褐色の特有の臭いの耳だれが出てきますから、耳の中をよく洗ってもらってきれいにしなければなりません。

■ 鼻すすりと中耳炎
鼻の病気があると鼻汁や鼻づまりのため、どうしても鼻をすするようになってしまいます。この鼻すすりの癖は中耳炎を引きおこしたり、治りにくくする原因にもなっています。このなかでも治りにくい「滲出性<しんしゅつせい>中耳炎」において、鼻すすりの癖が誘因となっていることがあります。鼻と耳をつないでいる耳管が閉じないで開いた状態にある場合、鼻をすすることにより中耳が陰圧になります。耳が詰まるような感じとか、自分の声が頭のなかでひびくという不快な症状がなくなるため、無意識の内に鼻をすすることに慣れてしまうのです。  この状態が続くと中耳が陰圧になることによって滲出性中耳炎が引き起こされたり、長引いたりします。このほか鼓膜が中耳の壁に癒着してしまう中耳炎や一部の「慢性中耳炎」は鼻すすりが原因と思われる例があります。
 強くかませると鼻の粘膜は腫れてしまい、鼻づまりはひどくなりますから、片方づつゆっくりと静かに、ながくかませて下さい。鼻がつまっているときには、点鼻薬をつかうのもよいでしょう。

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