Subject  : シラミ寄生症

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 シラミ寄生症
シラミ寄生症とは、小さく翅[はね]のない昆虫のシラミが皮膚に寄生することです。人間に寄生するシラミは3種類おり、それぞれ寄生する場所が異なります。 シラミは最大で直径約3ミリメートルにまでなります。 物理的接触や共有する衣類などを通じて、人から人に簡単にうつります。

アタマジラミは頭髪に寄生します。このシラミは個人的な接触や、頭に使う衣類や道具、つまりくし、ヘアブラシ、帽子などを共有することでうつります。アタマジラミは学童期の子供に広くみられました。
コロモジラミは衛生状態が悪く、狭い場所に大勢の人が暮らしている場合に多くみられます。このシラミは布製品の縫い目に住んでいて皮膚へと移ってきます。
ケジラミはカニに似た形のシラミで、陰部に寄生し、性交渉によってうつります。このシラミは胸毛、わき毛、ひげ、まゆ毛、まつ毛に寄生することもあります。

 【症状と診断】
シラミが寄生するとその部分にひどいかゆみが生じます。強くかくとそこの皮膚が傷つき、細菌に感染しやすくなります。子供はアタマジラミに寄生されてもほとんどそれがわからないので、ただ漠然と頭がかゆいと感じます。
シラミそのものを見つけるのはかなり難しいですが、シラミの卵は見てすぐにわかります。シラミの雌は灰色がかった白のつやのある卵を、人間の毛の根元付近に産みつけます。見た目には非常に小さい球が毛の根元にくっついている感じです。頭に慢性的にシラミが寄生していると卵は毛が伸びるにつれて上に向かっていきますから、寄生の期間が長いほど、頭皮から離れた部分の毛にシラミの卵がくっついた状態になります。
毛幹にくっつくものは他にもありますが、シラミの卵は非常にしっかりと毛にくっついているのですぐ区別がつきます。コロモジラミの成虫と卵は、皮膚に接触する衣類の縫い目の中に見つかります。

 【治療】
シラミの治療には、処方薬でも市販薬でも効果的な薬があります。ピレスリンとピペロニルブトキシド入りの市販のシャンプーとクリームを頭皮につけ、そのまま10分おいてから洗い流します。処方薬のペルメスリンには、溶液とクリームがあり、これも効果があります。リンデンは、クリームやローション、シャンプーなどの形状で処方される薬で、これも効果が期待できます。しかし、この薬は他の処方薬ほど高い効き目はなく、また、神経性の副作用が出るおそれがあるので小児には適していません。処方薬のマラチオンはシラミの成虫と卵の両方を殺すのに高い効果を発揮しますが、治療の際、優先して使われることはありません。というのは、この薬は可燃性が高く不快なにおいがする上、皮膚に塗ってそのまま8〜12時間おかなくてはならないからです。シラミを退治するための薬は、新しく孵る卵をすべて殺すために7〜10日間繰り返し使います。
薬を塗った後、シラミの卵は手作業で取り除かなくてはなりません。薬ではすべての卵を殺すことはできず、死んだ卵とまだ生きている卵の区別がつかないからです。シラミの卵を取り除くには、目の細かいくし(シラミ用の薬を塗ったくしもよく使われます)を使い、ていねいに徹底的に髪をくしけずります。これが「シラミつぶしに探す」、つまり徹底的に何かを探す、という表現の由来です。シラミの卵は毛に非常にしっかりとくっついていますが、この卵を毛から浮かせて取りやすくする市販薬もあります。コロモジラミの卵は、シラミが寄生していた衣類を捨てれば退治したことになりますので簡単です。
くし、帽子、衣類、寝具などシラミの感染源になったものは、すべて洗濯かドライクリーニングで洗浄します。
 ⇒ 皮膚疾患

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