有機塩素剤のBHC(別称HCH)の農薬のことであり、BHCはDDTに 続いて広く使用されるようになった農薬で、早くから国産化され安く供給されました。 人に対する急性毒性が非常に低くなったことなどから広く普及しました。 主に生産されたBHCには、殺虫剤としての有効成分であるガンマ・BHCのほか、 少しだけ構造が異なるベータ・BHCという物質がかなり含まれていました。 このべータ・BHCは殺虫効果が弱い反面、化学的に極めて安定した化合物であったため、 水田で使用されたものが稲わらにも大量に残留し、この稲わらがを餌にしていた乳牛 が多くいたため、その牛乳のBHCによる汚染として大きな社会問題となりました。 日本では昭和46年以降農薬として販売禁止となり、使用されなくなりました。