Subject : ガソリン代替エタノール
カテゴリー : 環境、エネルギー
ガソリン代替エタノール
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材料は、トウモロコシ、サトウキビ、食用油、竹、木材、糞尿、おがくずやトウモロコシの茎といった有機廃棄物など多岐にわたり、それらからアルコール燃料を作る方式はメタンガスの生産と共によく行われている方法である。
日本では、2007年4月27日よりバイオエタノールを含んだガソリンの試験販売が開始されており、ガソリン価格の高騰、地球温暖化への関心の高まりを受け注目されている。バイオ燃料E85(ガソリンにエタノールを85%混ぜた燃料:IPSJ)は、通常のガソリンよりも二酸化炭素の排出が70%少ない。価格もガソリンが1リットルあたり1.6ユーロのところ0.8ユーロ。バイオ燃料が利用できるフレックス燃料車が広く普及しているブラジルで2007年5月、トヨタ自動車もバイオ燃料の使用が可能な自動車を発売した。
また、おからを原料にしたバイオエタノール精製への取り組みも行われており、静岡油化工業株式会社は、2008年3月から、現在産業廃棄物として処理されているおからを再利用したバイオ燃料の製造を開始している。
また、世界中の池や湖などに生息し、自ら油を生成する藻の一種「ボトリオコッカス」を培養、抽出した油をバイオ燃料とする研究も行われている。
- ▼ 問題点
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バイオ燃料が普及する、あるいは増産するに当たり、以下の課題が存在している。
上記の通り、バイオ燃料は植物を利用する(有力なのがサトウキビ、小麦、トウモロコシ等である)。大量に増産するには当然ながら作物が大量に必要となるが、特に政策などで推奨するなどしない限り、作物の耕作面積が急速に増えることはありえない。そのため、現在の生産量の中から穀物を利用することになるわけだが、全体的な生産量が上がっていない状態で需要だけが伸びることにより、穀物の値段の高騰を引き起こしており、供給が不足するのではないかという懸念がある。また、バイオ燃料に使用される作物への転作が行われることで、バイオ燃料としては不向きな作物も高騰、不足に陥る可能性がある。特に日本の場合、食料自給率は40%程度(カロリーベース)であり、燃料に回す分があるのかという指摘もある。食用作物以外での生産技術の開発が望まれている。
結果的に、日本は輸入穀物の価格の高騰による影響を受けている。実際、2007年の後半から特に穀物を使うマヨネーズ、食用油、肉製品、カップ麺、お菓子などの日用品について、原材料の価格高騰によりメーカー側が値上げを発表するなど、徐々にその影響が出始めている。
2007年4月現在は自動車用のガソリンとしてのみの利用であり、また、暖房など、他の分野でも応用できないこと等を考えるとまだまだ発展途上の段階であると言える。
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