Subject : 芳香族アルデヒド・ケトン・カルボン酸
カテゴリー : 学びの館 > 化学
芳香族アルデヒド・ケトン・カルボン酸
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フェノール類よりもカルボン酸の方が酸としては強いことがポイントです。
- ■ 芳香族アルデヒドと芳香族ケトン
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C6H5-CHO ベンズアルデヒド → 還元性がある
C6H5-COCH3 アセトフェノン → 還元性がない
+O +O
C6H5-CH3 → C6H5-CHO → C6H5-COOH
酸化剤 酸化剤
- ■ 安息香酸
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天然樹脂の安息香に遊離酸やエステルとして含まれています。フェノール,テレフタル酸(ポリエチレンテレフタレートの原料),カプロラクタム(6-ナイロンの原料)などの重要な中間原料です。
トルエンを過マンガン酸カリウム水溶液で酸化する
トルエンを触媒を用いて空気酸化する
2C6H5-CH3 + 3O2 → 2C6H5-COOH + 2H2O
温水に溶けるとわずかに電離
C6H5-COOH ⇔ C6H5-COO− + H+
酸としての強さ C6H5-OH<H2CO3<C6H5-COOH
塩基と反応して塩をつくる
C6H5-COOH + NaOH → C6H5-COONa + H2O
強酸を加えると安息香酸が遊離
C6H5-COONa + HCl → C6H5-COOH + NaCl
- ■ サリチル酸
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サリチル酸は無色針状の結晶で,ヒドロキシル基とカルボキシル基をもっているため,フェノール類とカルボン酸の両方の性質を示します。したがって,塩化鉄(III)水溶液では紫色を示します。 サリチル酸をアセチル化するとアセチルサリチル酸ができます。アセチルサリチル酸は解熱鎮痛剤に用いられていますね。アスピリンが代表的です。100年以上も使用されています。また,バファリンの成分もアセチルサリチル酸です。ただし,小児用バファリンにはアセトアミノフェンが含まれています。
サリチル酸をメタノールとエステル化させるとサリチル酸メチルができます。サリチル酸メチルは外用塗布剤に用いられていますね。
ナトリウムフェノキシドを高温・高圧下で二酸化炭素と反応させる
+CO2 +H2SO4
C6H5-ONa → C6H4(OH)COONa → C6H4(OH)COOH
高温・高圧
塩基との反応
+NaOH +NaOH
C6H4(OH)COOH → C6H4(OH)COONa → C6H4(ONa)COONa
−H2O −H2O
<サリチル酸メチル>
消炎湿布剤
濃H2SO4
C6H4(OH)COOH + HOCH3 → C6H4(OH)COOCH3 + H2O
エステル化
<アセチルサリチル酸>
解熱剤,鎮痛剤
C6H4(COOH)OH + (CH3CO)2O → C6H4(COOH)OCOCH3 + CH3COOH
アセチル化
- ■ フタル酸・イソフタル酸・テレフタル酸
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ベンゼン環に2個のカルボキシル基がオルトの位置についているのがフタル酸です。メタならイソフタル酸,パラならテレフタル酸です。
o−キシレンまたはナフタレンをV2O5を触媒として酸化→無水フタル酸
無水フタル酸に水を作用→フタル酸
テレフタル酸とエチレングリコール HO-CH2-CH2-OH とを,エステル結合で縮合重合させるとポリエチレンテレフタレートが生成する
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有機化合物の同族列の慣用名
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