Subject   : 巨大磁気抵抗(GMR)効果

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 巨大磁気抵抗(Giant magnetic resistance)効果
 磁場をかけると電気抵抗率rが増加する現象を磁気抵抗効果と言う。

一般の物質では変化率Dr/rは数%であるが、巨大磁気抵抗(Giant magnetic resistance: GMR)効果ではこれが数10 %に達する。磁性半導体が低温でGMR効果を示すことは古くから知られていたが、室温のGMRはFe/Cr多層膜で発見された(1988年)。強磁性金属と非磁性(または、反強磁性)金属の薄膜を交互に積層した多くの多層膜がGMR効果を示す。GMR効果は多層膜の磁化状態によって電子の界面散乱が変化することに起因する。強磁性層の磁化が交互に反平行になっていると大きなDrが生じ、平行磁化状態ではDr≒0になる。磁化状態は外部磁場Hによって制御される。厚さ数nm のスペーサー層を介して強磁性の磁化が相互作用する機構は、単純な交換相互作用では説明できない。

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