Subject : 素粒子の相互作用(自然界の四つの力)
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素粒子の相互作用(自然界の四つの力)
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素粒子は、大きく2つのタイプに分けられる。物質を構成する「フェルミオン(フェルミ粒子)」と、物質同士の間に働く力を伝える「ボソン(ボーズ粒子)」である。後者を「ゲージ粒子」ともいう。物理学では、力が伝わるのは「何か」がその力を媒介していると考える。それがゲージ粒子である。
この宇宙には物理学的に4つの力が働いていると考えらている。まず「重力」、そして「電磁力」である。これらは日常生活で目にすることができる。電磁力というのは電気力と磁気力を合わせて呼んだもので、この2つの作用は90度の位相を持って現れる1つの力とみなされる。
つぎに「弱い力」と「強い力」でこれは原子核のレベルで働く力である。放射能を持つ原子核がベータ線(電子)を放出して別の種類の原子に変わるのを「ベータ崩壊」という。このベータ崩壊を起こし、原子の種類を変えるのが弱い力である。一方、原子核の中に陽子や中性子を閉じ込める力が強い力である。
このような基本的力は「電磁相互作用」、「強い相互作用」というように「相互作用」と呼ぶ場合もある。
力が4つあるのでそれを媒介するゲージ粒子も4つ考えられる。重力を伝えるのを「重力子(グラビトン)」、電磁力を伝えるのが「光子(フォトン)」、弱い力を伝えるのが「ウィークボソン(W粒子)」、そして強い力を媒介するのが「グルーオン(にかわ粒子)」である。
原子物理学の世界では、いわばキャッチボールをするようにゲージ粒子をやりとりして力を伝える、と考えるのである。そのためゲージ粒子の質量は大きな意味を持つ。質量が大きいと力の到達距離は短くなり、逆に質量がゼロの場合は、無限のかなたまで力が及ぶことになる。
種類 |
相対的な強さ |
影響範囲(m) |
メモ |
強い相互作用 |
1040 |
10-15 |
グルーオン、量子色力学(QCD) |
電磁相互作用 |
1038 |
無限大 (強さは1/r2に比例) |
光子(フォトン) |
弱い相互作用 |
1015 |
10-18 |
ウィークボソン(W±,Z0) |
重力相互作用 |
100 |
無限大 (強さは1/r2に比例) |
重力子(グラビトン):未発見 |
- ○ ウィークボソン
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弱い力を媒介するウィークボソンには正負の電荷を持つものと中性のものがあり、それぞれW+、W―、Z0と書かれる。
素粒子はすべて、電荷などの量子数のみが異なり、あとはまったく同じ性質の「反粒子」を持つ。W―はW+、の反粒子であり、Z0の反粒子はZ0自身である。(ちなみに電子の反粒子は、プラスの電荷1を持つ陽電子である。)粒子と反粒子が出会うと、一瞬のうちに消滅し光などのエネルギーに変わってしまう。
弱い相互作用は、電荷ならぬ「ウィーク荷」を持つ粒子に作用し、ウィークボソンをやり取りしてベータ崩壊を起こす。ウィークボソンは、陽子の50倍以上の質量があるため、その到達距離は極めて小さくなる。
⇒
素粒子(クォーク、レプトン)
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