Subject   : ミューオン(ミュー粒子)

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 ミューオン(muon)
ミューオン(muon)とは、素粒子のうちのレプトンの一つであり、素粒子の標準模型では第2世代の荷電レプトンとして位置づけられる。ミュオンと表記することもある。 ミュー粒子(μ粒子)ともいいます。

宇宙線が地球の大気と衝突する際に発生し、X線などをはね返す巨大な岩盤も透過する。

電子の兄弟に当たる粒子で,本質的には電子とは重さが違うだけである。 電子の約200倍の重さがあるが,その理由はわかっていない。宇宙線のなかに多く含まれている。1937年に発見された。パイ中間子の崩壊により作られる。

ミューオンは、電気素量に等しい負の電荷と1/2のスピンを持つ。静止したミューオンの質量は105.6 MeV/C2(電子の約206.7倍の重さ)、平均寿命は2.2×10-6秒で、ミューオン(μ-)は電子、μニュートリノ、反電子ニュートリノに、その反粒子である反ミューオン(μ+)は陽電子、反μニュートリノ、電子ニュートリノに壊変する。この壊変過程は不安定核のベータ崩壊と同じく弱い相互作用によるものであり、壊変で放出される電子/陽電子はパリティの非保存によりもとのミューオンが持っていたスピンの向きに対して空間的に非対称な分布を持って放出される。同じレプトンとしてはこれよりさらに重いタウ粒子(tauon, τ)があり、電子と合わせてレプトンの三世代構造として知られている。

物質を形づくる12種類の素粒子の一種。重さは電子の約200倍で、負か正の電荷を持つ。宇宙放射線が大気に衝突して生じる。地表に達する宇宙線の約7割はミュー粒子。地上では手のひらぐらいの面積あたり毎秒1個ほど降り注いでいる。

電子の反粒子に陽電子があるように、ミュー粒子にも正の電荷を持った正ミュー粒子があります。ミュー粒子の重さは陽子の9分の1ほどですが、電子より200倍ほど重いので、ミュー粒子が電子と出会うと、電子はミュー粒子の周りを回る軌道に入ります。これはちょうど水素原子の陽子をミュー粒子で置き換えたのと同じような状態です。このような状態をミューオニウムと呼びます。

 ○ ミューオンの利用
ミューオンはイオンビーム(粒子線)として世界に数カ所ある中間子工場(Meson Factory)と呼ばれる陽子加速器施設で利用に供されており、素粒子・原子核物理学からミュオンスピン回転(μSR)による物性物理学、物理化学の研究に至るまで幅広く利用されている。また、ミューオンを用いたミューオン触媒核融合、μ-捕獲X線による非破壊元素分析など、学際的な応用研究も行われている。
近年では、東京大学地震研究所により、宇宙線由来のミューオンを用いて火山の内部構造を画像化するミューオトモグラフィーの研究が進められている
 ⇒ 素粒子(クォーク、レプトン)

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