Subject   : 希土類元素(レアアース)

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 希土類元素(Rare Earth Element)
原子番号57のLaから71のLuまでの15元素に、21番Scと39番Yを加えた17元素の総称。

希土類元素は、最外殻の電子構造とイオン半径がほぼ似かよっているため、化学的性質に類似性を持っている。発見当初は比較的希な鉱物から発見されたため希土類元素(rare earth)と呼ばれたが、地殻全体からみた実際の存在量はそれほど希少ではない。CeはCuよりも多く、Y、La、NdはCo(レアメタル)よりも多量に存在する。炭酸塩鉱物のバストネサイト、リン酸塩鉱物のゼノタイム、モナザイト、イオン吸着鉱などの鉱石に含有されているが、現在これらの鉱物は大部分が中国から産出されている。蛍光体や触媒、磁性材料、ファインセラミックス、半導体材料等に広く使用され、現代文明を支える貴重な機能性元素といえる。

希土類として元素を分類したときは、ランタノイドとスカンジウム(Sc)とイットリウム(Y)を含めている。ランタノイド類の中で、Gdよりも元素重量が軽い元素を軽希土類元素(LRE: light rare-earth elements)と呼び、通常、(LRE)Ba2Cu3O7d系材料とした際に超電導体となる、La, Nd, Sm, Eu, Gdが指す。これらの元素を用いた場合には、(LRE)とBaが置換した固溶体を形成しやすく、超電導特性が変化する。 

用途 21
Sc
39
Y
57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
磁石












光磁気ディスク













蛍光体











レーザー








光ファイバ増幅器













コンデンサ












水素吸蔵合金
















 ○ 希土類磁石
鉄族遷移元素と希土類元素の金属間化合物を主構成成分とする永久磁石の総称。製造方法によって、焼結磁石とボンド磁石に大別される。代表的な磁石合金として、Sm-Co系とNd-Fe-B系の二種類がある。他の永久磁石であるフェライトやアルニコと比べて残留磁束密度Brや保磁力HcJ、最大エネルギー積(BH)max等が格段に優れている。各種産業用モータから、コンピュータ、家電製品、携帯電話、自動車など現代社会を代表する多くの工業製品に応用されている。それら機器、装置の小型化、高性能化にとって必要不可欠な機能性材料となっている。
 ⇒ 周期律表

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