Subject   : 製錬、精錬と冶金(やきん)

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 精錬(refining)と製錬(smelting)
精錬とは、不純物の多い金属から純度の高い金属を取り出す過程のことである。鉱石から金属を取り出す工程を製錬といい、精錬とは別の概念としている。
製錬(smelting)とは鉱石を還元することによって金属を取り出す過程のことである。製錬によって取り出された金属は純度が低い場合が多く、純度を高めるために精錬が必要な場合がある。

refining は、金属だけでなく不純物を取り除く工程一般を指し、日本語の精製に相当する。

銅の精錬は電気分解法を用いて行われる。これを電解精錬または電解精銅という。

金属精錬は水系溶媒の使用の有無や電気化学的に抽出するかどうかで以下のようにわけることができる。
・乾式精錬(pyrometallurgy): 金属を加熱処理などにより金属を得る精錬。水系の溶液を使わない精錬一般を指す。鉄のコークスによる還元が代表例である。
・湿式精錬(hydrometallurgy): 金属を水系溶液に浸漬するなどして抽出する精錬。
・電気精錬(electrometallurgy): 金属を電気化学的な方法で抽出する精錬。銅の電解精錬やアルミニウムの溶融塩電解が代表例である。
 冶金(やきん)
冶金(やきん)とは、鉱石その他の原料から有用な金属を採取・精製・加工して、種々の目的に応じた実用可能な金属材料・合金を製造すること。そのために必要となる技術(冶金術)・学術(冶金学)を含める場合もある。

鉱石などから金属を抽出する技術は化学冶金と呼ばれ、狭義の冶金(術・学)はこれのみを指す場合もある。その技術には乾式冶金・湿式冶金・電解冶金に大別することが出来る。一方、それ以外の合金の製造や物理的加工を行うことで金属の性質を変えて実用に用いやすくすることを製造冶金と称する。粉末金属を塊状にすることを粉末冶金、物理的圧力や他の成分との混合による加工を物理冶金と呼ぶ。製造冶金に関する工学を金属工学と呼ぶが、近年では冶金学と同一に扱われる場合が多い。
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