Subject  : 関節軟骨

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 関節軟骨
関節軟骨は硝子軟骨からなり、白色で光沢があり、粘弾性に富んでいます。 関節軟骨は 表層−中間層-深層(放射層)--石灰化層 の4層の層状構造をとります。石灰化層は骨(軟骨下骨)と強固に連結します。Tide markはhematoxylin染色で濃染する線状に見える部分です。関節軟骨の厚さは1mm位から、最大の膝蓋軟骨で5mmにもなります。関節軟骨は硝子軟骨からなり、白色で光沢があり、粘弾性に富んでいます。
関節軟骨は80%の水分、20%のマトリックスとわずかな軟骨細胞により構成されます。マトリックスはコラーゲン(乾燥重量の60%)とプロテオグリカン(乾燥重量の10%)から構成されます。プロテオグリカンは95%のグルコサミノグリカンと呼ばれる多糖類(GAG)と5%の蛋白質からできています。プロテオグリカンはヒアルロン酸と結合したアミノ糖とグリコサミノグリカンの高分子量ポリマーの繰り返しからできています。ヒアルロン酸は直線的ポリマーで、グルクロン酸とNアセチルグルコサミン(グルコサミンのアセチル化)の二糖類の繰り返しから成ります。グルコサミンはグリコサミノグリカンとプロテオグリカンの合成の律速段階に関わっています。プロテオグリカンが大量の水を保持してゲル状物質となります。コラーゲンは構造性たんぱくで、軟骨の形を維持しています。
粘弾性体である軟骨は、衝撃吸収機能、さらには潤滑を担います。水分の保持が多いことはすなわち衝撃につよいことです。水の性質は驚くべきものなのです。水面を思いっきりたたいて下さい。その抵抗はすごい力になります。しかし、ゆっくり手をいれればその抵抗はほとんどありません。これが軟骨の驚くべき衝撃吸収能なのです。また関節軟骨の作用により、関節の磨耗係数は驚くほど小さく保たれています。 関節軟骨には神経、血管、リンパ管がなく、関節液で栄養されています。
関節軟骨に主にみられるプロテオグリカン集合体は、長いフィラメントのヒアルロン酸ポリマーの芯に、枝となる多数のプロテオグリカンmonomer(コア蛋白とGAGが結合したもの)が付着したものです。このプロテオグリカンmonomer の細かい枝の間に水分子を引き寄せ、保持する作用があります。これによって実に軟骨の80%は水分を含み、関節軟骨に弾性と硬さを与えます。
関節軟骨の維持には、コラーゲンも、プロテオグリカンも重要です。これらはいづれも軟骨細胞が作り、細胞外マトリックスと呼ばれます。
● 軟骨細胞
人のからだには140個もの関節があるといわれています。その関節で骨と骨を保護し、クッションの役割を果たしている軟骨はどんな構造をしているのでしょうか。軟骨の構成要素は水分(65〜80%)、コラーゲン、プロテオグリカン、軟骨細胞から成りたっています。
 軟骨細胞はコラーゲンやプロテオグリカン分子をつくる工場のようなものです。軟骨内のコラーゲン、プロテオグリカンの量を一定に保つために、足りなくなったら新しく作り、古くなって機能の低下したものは酵素を放出して分解します。
 軟骨を潤して表面を滑らかにする水分、水分を保つプロテオグリカン、プロテオグリカンを固定するコラーゲン、そのコラーゲンやプロテオグリカンの新陳代謝を行う軟骨細胞、一つでも欠けると軟骨の健康は損なわれます。


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