Subject  : 感電に注意

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 感電と人体反応
感電はご承知のように大変死亡率の高い災害である。しかも即死またはそれに近い死亡例が多い。 人体は導体であって、電気を通しやすいものであるが、乾湿の状況で大きく様相を変える。 手足が乾いているときは接触抵抗は2,000Ω以上であるが、汗で濡れているときは約800Ωで、あるいは 衣服が濡れているときなど最悪の条件のときは300Ω程度となる。 人体に電流が流れて傷害等を起こす事を感電といいます。

感電は電撃とも言われ、一般に人体に流れることによって発生する。そしてその程度は、単に電流を 感知する程度の軽いものから、苦痛を伴うショック、更には筋肉の強直、心室細動による死亡など 種々の症状を呈する。(電圧が掛かっても、電流が流れなければ感電はしない)
  1. 感知(電撃を感じる感知電流)
  2. 通電経路の筋肉(上肢・下肢)が痙攣する(下髄電流電流または離脱電流)
  3. 神経が麻痺し、手が離れなくなり、自由がきかなくなる(不随電流)
  4. 呼吸困難になり失神し窒息に至る
  5. 心拍・呼吸停止(心室細動電流)
  6. 生体組織の損傷(火傷・ケロイド・電流傷)
  7. 二次災害(共同作業者の巻き添え等)


最小感知電流とは、わずかなチクチクを感じ始める値で、1mA前後の電流である。 離脱電流はピリピリ感じても手足を動かして電気から離せる 範囲の電流で16mAである。 離脱電流を超えると筋肉が収縮痙攣を起こし、自分では接触部から離れることができなくなる。 この時の電流を不随電流という。
ダルジール(Dalziel)教授は5%の人が離脱できない電流を23mAとしている。
さらに電流が増加すると筋肉が硬直けいれん収縮して呼吸を止め、窒息死に至らしめることや、 電流の大きさをさらに増すと心臓をけいれんさせ、心室細動(心臓の周期的な収縮運動が乱れること) を起こして心臓の鼓動を止め血液の循環を停止 させて死に至らせる。
下の表は通電電流の大きさと人体反応を示しています。

電流の大きさ ショック時間 人体反応
0.4mA
触れても感じない
1.1mA
わずかにチクチク感じ始める(最小感知電流)
1.8〜9.0mA
痛みのあるショック
16.0mA
筋肉をコントロールできる限界(離脱電流)
23.0mA
痛く激しいショック 筋肉の収縮 呼吸困難(不随電流)
1000mA 0.03秒 短いショックにより心室細動の可能性
100mA 3.00秒
2.75A 0.03秒 心室細動が確実に発生
275mA 3.00秒


 ⇒ 防災対策の知識

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