Subject : 余効変動(スロー地震)
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余効変動(スロー地震)
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余効変動とは地震後に観測される地殻変動の総称であり、マグニチュード7以上の大地震の後には次第に地殻変動の速度を減じるような遷移的な現象が認められるのが普通です。この現象を断層がゆっくり滑る運動であると解釈してスロー地震やゆっくり地震あるいは非地震性滑りとも呼ばれています。
余効変動は地震の後の地殻変動であって先行する地震と一体化した現象であると意識されるのに対してスロー地震などは単独に完結する場合も含まれます。
スロー地震、ゆっくり地震、サイレント地震、非地震性滑りなどさまざまな用語は国際的にはスロー・スリップ・イベント(slow slip event)と総称されていても日本語としてははっきりとはしていないといわれています。
余効変動(スロー地震)は1992の三陸はるか沖地震における伸縮計の記録から発見されました。その後、GPS地殻変動観測網の整備に伴っていくつもの余効変動(スロー地震)が捉えられるようになり、断層が動き出してから停止するまでの時間(震源時間)は分、日、年といったさまざまな時間のものがあることが見出されています。
余効変動(スロー地震)の多くは陸のプレートと海洋のプレートの境界で発生する海溝型地震の調査研究から徐々に明らかになってきています。海溝型地震は活断層による地震と比べて活動周期が短いなど余効変動の調査研究の対象には有利であることによると思われますが、活断層による地震についても余効変動の調査研究があります。
昭和2年の北丹後地震では2筋の断層が動きました。断層を挟んだ2点間の高低差を水準測量によって繰り返して測定すると、郷村断層では地震後約1年程度で停止したのに対し山田断層では3年を経過しても動いていることが判明しました。活断層においても余効効果とかスロー地震と呼べる現象が起こっていたことになります。
海溝型地震でいうならばプレートの沈み込みとその境界が滑るという共通の原因でありながら、あるときは被害を伴う大地震となりあるときは人が感じることのないスロー地震となるという現在の最先端の研究と北丹後地震当時の研究がオーバーラップしているようにみえます。
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