Subject   : 真空ポンプ

カテゴリー  : 学術情報 > 物理 


 真空ポンプ
一般にポンプとは流体に圧力や速度などを付与しながらこれを輸送する装置をいいます。真空技術でいうポンプの場合は、これよりももっと広い意味が与えられています。この一般的なポンプの定義のとおり、真空装置内の気体をより高い圧力の外部へ輸送し、排出するものがあります。たとえば、油回転真空ポンプやメカニカルブースタポンプのような機械式真空ポンプ、あるいは油拡散ポンプやエゼクタポンプのような蒸気噴射式真空ポンプです。ほかに気体を外部に運び出すのではなく、ただ気体分子を捕えてしまうだけのものがありますが、これは気体に対して受動的であり、厳密にはポンプとはいえないかもしれません。これらにはゲッタ作用を利用した真空ポンプや低温における吸着、凝結作用を利用した真空ポンプなどがあります。つまり真空ポンプとは、気体を除去する機能をもつ装置であるということができます。 作動原理によって真空ポンプを大別すると気体輸送式真空ポンプ、気体溜込式真空ポンプになります。

■ 気体輸送式真空ポンプ
往復式ポンプ、油回転ポンプ(ロータリーポンプ)、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、油拡散ポンプ、エジェクタポンプなど。
■ 気体溜込式真空ポンプ(entrapment (capture) vacuum pump)
ソープションポンプ、ゲッタポンプ、ゲッタイオンポンプ(スパッタイオンポンプなど)クライオポンプ。
 ○ソープションポンプ (Sorption Pump)
多孔質の吸着剤を液体窒素で冷却し、気体分子を物理吸着させて排気するものである。吸着剤としてはモレキュラーシーブ(人工ゼオライト)や活性炭などが用いられる。機械的な動作部分が無いため、油蒸気などはよく除去できるが、物理吸着を利用するため、水素分子、ヘリウム、ネオンなどはほとんど除去することができない。
 ○ゲッターポンプ (Getter Pump)
チタンのゲッター作用により排気する真空ポンプである。サブリメーションポンプ (Sublimation Pump) とも呼ばれる。チタンは化学的に活性な為、水素・酸素・窒素・一酸化炭素もしくはその他の活性ガスを化学的に吸着し、真空度を上げる。イオンポンプと異なり、ヘリウム等の不活性気体は排気できない。
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