Subject   : 眼を保護する構造

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 眼を保護する構造
上下のまぶたは、眼を覆うための薄い皮膚のひだです。まぶたは、反射的に素早く閉じる動作(まばたき)をして、外からの異物や風、ちり、強い光などから物理的に眼を守る機能を果たしています。この反射は、眼に向かってくる物体が見えたときや、眼の表面に何かが触れたとき、まつ毛が砂やほこりのような小さな異物、あるいは風を感じたときに起こります。まぶたの裏面を覆っている結膜は、裏まぶたの上縁から折り返して眼球前面を角膜の縁まで覆っています。結膜は敏感な眼球組織を保護する働きをしています。

まばたきをすると、まぶたによって涙が眼の表面に広がります。涙は塩分を含んだ液体で、眼の表面が乾かないように、うるおいを与えています。眼を閉じたときは、まぶたによりうるおいが逃げずに眼の表面に保たれます。上下のまぶたの縁にある小さい腺からは油分を含んだ物質が分泌されます。この油を含んだ液が表面に膜のように広がって、涙が蒸発するのを防いでいます。涙は眼の表面を常にうるおしています。このうるおいがなくなると、角膜が乾いて傷ついたり感染を起こしたりして透明さを失い、濁ってしまいます。涙は眼に入った小さな異物を押し流す働きもしています。また、涙には眼を感染症から防ぐ抗体もたくさん含まれています。このように、まぶたと涙は、眼に光がきちんと入るようにしながら眼を保護しています。

涙腺は両眼の外縁の一番上にあり、涙の水分を産生します。結膜の中にある粘液腺は粘液を産生し、涙の水分とこの粘液が混ぜ合わされて保護力の高い涙液の膜がつくられます。涙は、左右2本ある鼻涙管を通って鼻へと流れ出ます。この鼻涙管の開口部は、上下のまぶたの鼻側の端にあります。

まつ毛は、まぶたの縁に生えている短い毛です。上まつ毛は下まつ毛よりも長く、上向きに生えています。下まつ毛は下向きに生えています。まつ毛は、眼の中にごみなどの異物が入らないようにはじく働きをしています。

 ⇒ 人間の眼
 ⇒ 眼球の内部構造

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]