Subject   : 遺伝子多型解析

カテゴリー  : 学術情報 


 遺伝子多型解析
ヒトのDNAの塩基配列は国際的なヒトゲノムプロジェクトですべて解析されました。
しかし、ヒトのDNA(遺伝子)の塩基配列には、人種による肌の色や顔の輪郭、眼の色や髪の毛の色など一人ひとりが異なった様相を示しています。
つまり個人ひとりひとりに異なった点変異や欠失、重複、反復配列などを示す塩基配列部分が存在します。
このことを利用することによってヒトの個人識別が可能となります。

その良く知られている個人識別の例として、よくサスペンスやドラマに出てくる親子鑑定や犯人の遺伝子検査です。
遺伝子検査では、そのひとが持っている特定の個人体質を調べることが可能です。たとえば、血液型(AB,AA,AO,BB,BO,OO)などを調べるための遺伝子検査があります。
これらは輸血や骨髄移植において正確な血液に関する情報を調べ、その適合性を検討する必要があるからです。
さらには、臓器移植時などに起こる拒否反応などを調べるHLA(ヒト白血球抗原)タイピングなどもあります。
これは、骨髄や腎臓移植時のHLA適合血小板の適合検査で拒否反応が起こるかどうかの検査に欠かせません。
法医学では個人の特定や親子鑑定に利用されています。

また、最近ではそのヒト個人が持つ肥満遺伝子を調べて、その人に最も適したダイエット法などの情報をサービス提供する会社まで出てきているようです。
そんなスタイルに変身させてしまう遺伝子検査が出現しました。
自分の肥満遺伝子を遺伝子検査により解析し、その人に最も適した ダイエット方法を提供する検査サービスです。

この世の中には男女を問わず、お酒の強い人、弱い人がいます。 これにはそれなりの原因があります。 つまり、その人にアルコール分解酵素を作りだす遺伝子があるかどうか、 また、たくさんのアルコール分解酵素を作り出すことが出来るかどうかに かかっています。
このアルコール分解酵素を作り出す関連遺伝子をサービスで検査してく れる病院・施設も出現してきました。
あなたの血液からDNAを抽出し、アルコールを分解できる遺伝子配列が あるかどうかを調べます。 方法は、アルコール分解酵素を作りだす遺伝子の特定領域をPCR法で 増幅し、そのPCR産物にアルコール分解酵素を作りだす遺伝子を切断で きる酵素を加えます。 その後に、アガロースゲルにて電気泳動を行い、そのPCR産物が酵素に よって切断されているかどうかを確認します。

生活習慣病である、心疾患、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症、神経変性疾患、老年期痴呆などは、その人の生活習慣とその人が持っている関連遺伝子によって引き起こされていることが判ってきました。
つまり、あなたの遺伝子を検査することによって、どの生活習慣病になりやすいのかがある程度推測できるのです。 その遺伝子情報をもとに罹りやすい生活習慣病を予防することが可能になります。
 ⇒ 遺伝子検査

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