Subject   : DNAメチル化解析

カテゴリー  : 学術情報 


 DNAメチル化解析
DNAのメチル化は、遺伝子発現の不活性化に強く相関を持っており、この現象は遺伝子発現領域であるプロモータ領域周辺で多く見られます。

メチル化DNA解析の代表的な手法として、バイサルファイト(亜硫酸水素塩)を利用した非メチル化塩基の置換反応があります。DNAのメチル化は、特徴的領域(CpGアイランド)のシトシン塩基に多く見られます。この試薬を用いると非メチル化シトシンをウラシルに変換することができます。そのため塩基配列を確認するだけで、どのシトシン塩基がメチル化しているか、また領域としてのメチル化パターンを見出すことが可能です。

またプライマーをメチル化部位に設定することで簡便にPCR(MSP法)にて、塩基置換によるプライマーの特異性を利用した解析することも可能です。

がん細胞における遺伝子のメチル化異常や、発生分化に見られる新規のメチル化の研究など、メチル化解析による遺伝子発現や疾病との相関の研究が盛んに行なわれ始め、生命科学研究はポストゲノム時代に突入したと言えます。

 ● バイサルファイト・シーケンス(BSP)法
遺伝子のプロモータ領域にメチル化修飾を受けたシトシン塩基が遺伝子発現調節に関与していることが示唆されています。これらの調節機構を領域としてメチル化シトシンのパターンを検出するには、シーケンス反応をベースにした検出系が有効です。
ゲノムDNAにバイサルファイト処理を行なうとメチル化シトシンは変換されず、非メチル化シトシンのみがウラシルに変換されます。シーケンス反応としてウラシルはチミンとして表現されますので、バイサルファイト処理前後で生じるシトシンとチミン(ウラシル)の差異を配列データとして得ることができます。 この手法では、プライマーの設定が重要であり、メチル化解析ソフトウェア "Methyl Primer ExpressR" の利用で、作業効率の大幅な向上が期待されます。
これら解析において、ガンなど疾病の原因遺伝子の解析を含めた一次構造解析では分からない調節機構の解明につながるとして、積極的な解析が行われています。
 ⇒ 遺伝子検査

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