Subject   : メチル化特異的PCR(MSP)法

カテゴリー  : 学術情報 


 メチル化特異的PCR(MSP)法
 Methylation-specific PCRの略で、メチル化および非メチル化されている塩基を特異的にPCR増幅してメチル化の様子を解析する方法です。 目的とする領域でメチル/非メチル化を想定し、仮定に対するプライマーセットを2セット作成し、プライマーの特異性によりPCR増幅の有無を論理的に解析します。

この解析手法では、バイサルファイト処理をしたDNAをそのまま解析に使えるために、短時間で結果を確認することができます。またMethyl Primer ExpressRでは、メチル/非メチル化を想定したプライマーセットを同時に設計することができます。

制限酵素を用いた手法
DNAのメチル化部位の検出を、メチル化感受性制限酵素で行う解析手法です。制限酵素が認識配列中の塩基がメチル化されていると、メチル化された塩基の種類や位置において、制限酵素がDNAを切断できなくなる現象を利用しています。

現在入手可能なメチル化感受性制限酵素は100種類以上あり、認識配列も多彩であるため、ほとんどのターゲットになるDNA領域を切断することは可能です。インタクトなDNAを使用できるために迅速な検出は可能であるが、検出できるのは制限酵素の認識配列であるために、認識部位に変異が生じている場合は偽陰性となります。したがって特定の遺伝子に着目した迅速な検出法としては、MLPAR 法やリアルタイムPCRシステムの利用が有効かと思います。

 ● MLPAR(Multiplex Ligation Probe Amplification) 法
ターゲット領域にプローブを設定し、プローブが相補的な配列にハイブリダイズした場合のみ、PCR産物が得られる解析手法です。プローブの設計はターゲットの構造に対応して設計ができるため、多様なアプリケーションに対応できる解析手法です。

PCRを利用するために少量のDNAでの解析が可能なことと、ハイブリダイゼーションとライゲーションを行うために、1塩基の差異を解析すること、また一度に大量のローカスを解析することがができます。この特徴を利用すると、遺伝病や癌など疾病に特徴的な構造変異を解析することもできますし、同様にメチル化DNAのサイトにプローブを設計することでメチル化解析も可能です。
 ⇒ 遺伝子検査

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