Subject   : DNA構造解析

カテゴリー  : 学術情報 


 DNA構造解析
 染色体は、巨視的には同一のように見えますが、無数に微細な塩基の挿入・欠失・置換などが見られます。そして正常な生命の営みに不可欠な領域が欠損してしまった場合、ガンをはじめ、様々な疾患の可能性が導かれます。このように生命の設計図であるDNA配列を詳細に解析すること、またその変異・差異が個体を特徴付けていることを見出すため、現在、DNAシーケンサを用いたDNA構造解析が盛んに行なわれています。

 ● MLPAR 法
MLPAR はMultiplex Ligation Probe Amplificationの略で、ターゲット領域にプローブを設定し、プローブが相補的な配列にハイブリダイズした場合のみ、PCR産物が得られる解析手法です。プローブの設計はターゲットの構造に対応して設計ができるため、多様なアプリケーションに対応できる解析手法です。

PCRを利用するために少量のDNAでの解析が可能なことと、ハイブリダイゼーションとライゲーションを行うために、1塩基の差異を解析すること、また一度に大量のローカスを解析することがができます。この特徴を利用すると、遺伝病や癌など疾病に特徴的な構造変異を解析することもできますし、同様にメチル化DNAのサイトにプローブを設計することでメチル化解析も可能です。

 ● BACフィンガープリント
SNaPshotR Kitによる一塩基伸長反応に基づいたマッピングおよびサイジング技術です。
この技術では、まず制限酵素でDNAを様々な長さに断片化します。

そして、DNA断片のパターンを識別可能な「フィンガープリント」とするために、各クローンの3´突出末端を鋳型としてSNaPshot反応を用い、相補的な塩基をラベルさせます。

得られた「フィンガープリント」の一部が、他のクローンと一致した場合、そのクローンは同一のゲノム領域を他のクローンと共有しているといえます。この「フィンガープリント」の重なっている部分を利用し、クローンを整列化してゲノムの物理地図を作成します。
 ⇒ 遺伝子検査

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