Subject   : 化学センサ

カテゴリー  : 学術情報 


 化学センサ
 特定の化学物質に応答を示し、その種類や濃度を電気的信号に変換表示するものは化学センサと呼ばれる。

電気化学を中心として、半導体テクノロジ、有機化学、触媒化学、生物化学などを加えた諸分野の融合によるところが大きい。化学センサには、pH センサに代表されるイオンセンサ、O2、CO2、H2 などを検出するガスセンサ、生体活動に利用されるバイオセンサの他、各種微生物センサや免疫センサなどがある。

これらのセンサの原理は、被測定物質を識別する素子と、そこから得られる化学情報を電気信号に変換する電気化学デバイスによって成り立っており、その変換方式は電位法(potentiometry)と電流法(amperometry)とに大別される。

pH センサは最も重要なセンサの一つであり、これまでその開発は多種に及んでいる。簡単なpH 測定法としては、滴定によるプロトン濃度の測定やpH 指示薬を用いる方法などがあるが、滴定は弱酸に対しては解離しているプロトンだけを測ることはできず、指示薬を用いる場合には被測定溶液が指示薬に比べて十分多量でないと正確ではなくなる。

○ ISFET(Ion Sensitive Field-EffectTransistor)
MOSFET をイオンセンサとして応用したもの。 溶液と感応膜との界面電位の分だけゲート閾値電圧が変化するこ とを利用したセンサで、プロトン感応膜として、絶縁体であるSiO2, Si3N4, Al2O3, Ta2O5 などを用いることによってpH センサとして作動する。ガラス電極と比較すると、半導体技 術の利用によって小型化ができ、ゲート部分の化学修飾によって様々なイオンの検出が可 能となる。

○ LAPS
ゲート窒化膜上のpH 変化に伴うゲート閾値電圧シフトを利用したISFET とは異なり、半 導体のフラットバンド電圧シフトをEIS(Electrolyte/Insulator/Semiconductor)構造間 の交流光電流によって測定するセンサとして、D. Hafeman らによってLAPS (Light-Addressable Potentiometric Sensor)が報告された[3]。LAPS は、半導体シリコン 基板の表面をSi3N4 絶縁膜で覆った構造を持ち、絶縁膜上でセンサに接する被測定溶液と あわせて、EIS 構造を形成する。
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