Subject   : フォトン (光子)

カテゴリー  : 学びの館 > 物理 


 フォトン (Photon)
 フォトン (光子)とは、は素粒子の一つで、光を含む全ての電磁波の量子状態かつ電磁力のフォースキャリア(force carrier)である。

光子の不変質量がゼロであり、長距離で基本相互作用することが可能であるため、この力は微視的にも巨視的にも容易に観測することができる。その他全ての素粒子と同様に、現在のところ光子は量子力学で最も良く説明され、粒子と波動の二重性を示す。例えば、一つの光子はレンズで屈折し、また自身と干渉するが、位置が明確に測定できる等、粒子としての振舞いも見せる。

現代の光子の概念は、古典的な光の波モデルには合致しない現象を説明するためにアルベルト・アインシュタインによって発展させられた。特に光子モデルでは光のエネルギーは周波数に依存するとし、物質と放射としての振舞いを熱平衡で説明する。また、マックス・プランクが半古典モデルで説明しようとした黒体放射の性質も説明できる。半古典モデルは量子力学の発展に貢献したが[2][3]、1923年に初めて観測されたコンプトン散乱から始まった多くの実験がアインシュタインの光量子仮説の正当性を立証した。1926年、化学者のギルバート・ルイスは、この粒子をphoton(光子)と命名した。1927年にアーサー・コンプトンが散乱の研究でノーベル物理学賞を受賞すると、多くの科学者が光の量子化の正当性を受け入れ、光量子を表すルイスのphotonという用語を受け入れた。

素粒子物理学の標準模型では、光子は時空の全ての点で対称性を持つ物理法則の必然的帰結として記述される。電荷、質量、スピン角運動量等の光子に固有の性質はゲージ理論から決定される。光子の概念は、レーザー、ボーズ・アインシュタイン凝縮、量子場理論、量子力学の確率振幅等、実験物理学及び理論物理学に重大な進歩をもたらした。また、光化学、2光子励起顕微鏡、蛍光共鳴エネルギー移動等に応用されている。近年では、光子は量子コンピューターや、量子暗号等の光通信の観点からも研究されている。

光子は無質量の粒子であり、電荷を持たず、安定である。2つの偏光状態を持つことができ、3つの連続したパラメータで正確に記述できる。波数ベクトルの成分は、波長λとその伝播方向を決定する。光子は電磁気のゲージ粒子であり、そのため光子のその他の量子数(レプトン数、バリオン数、フレーバー量子数)はゼロである。 光子は様々な自然過程で放出される。例えば、電荷が加速されるとシンクロトロン放射を発する。分子、原子、原子核が低いエネルギー準位に遷移すると、赤外線からガンマ線まで様々なエネルギーの光子が放出される。粒子とその反粒子が対消滅する時にも光子が発生する(例えば電子-陽電子対消滅)。

真空中では、光子は光速cで移動し、そのエネルギーと運動量は、E = pcの式で関係付けられる。ここで、pは運動量ベクトルpの大きさである。この式は、次の相対論的関係のm=0の場合である。
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参考)ウィキペディア


 ⇒ 素粒子

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