Subject   : テレパソロジーとテレラジオロジー

カテゴリー  : 産業・技術 


 テレパソロジー(telepathology)
通信ネットワークを使って遠隔地の医師が病理の診断を行なうこと。特に、手術中にリアルタイムに行なわれる遠隔診断。また、そのための技術やシステム。
 死亡した患者の体組織から死因を調べたり、手術で摘出した組織や細胞から病気を診断したり、手術中に腫瘍などが悪性か良性かなどを判断する病理診断は、高度な専門性が求められ、専門医は慢性的に足りないと言われている。
 この状況を改善するため、通信ネットワークを通じて体組織の画像や顕微鏡の映像を送受信し、遠隔地の病理医が診断を下せるようにするシステムが遠隔病理診断システムである。
 テレビ会議のようなシステムを使って、手術中に遠隔地の専門医に悪性・良性の判断や切除個所の決定などについて助言を受けるシステムが期待されており、すでに、都市部の大学病院と地方の病院を結んで遠隔病理診断を行なうようなシステムが実用化されている。
 テレラジオロジー(teleradiology)
遠隔放射線診断のこと。  X線写真やMRI画像など、放射線科で使用される画像を通信ネットワークで伝送し、遠隔地の医師が診断を行なうこと。また、そのための技術やシステム。
 専門医の不足しがちな地方の病院でも、都市部の大学病院などの高い技術を持った専門医の判断を仰げるとして期待を集め、すでに実用化された事例もある。
 ただし、診断報酬をどう評価するかや、遠隔地の医師は撮影が適切に行なわれているかを判断できないまま診断を迫られ、診断結果が一人歩きしてしまう危険性があるといった課題も指摘されている。
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