Subject   : 第一世代の星

カテゴリー  : 宇宙科学 


 第一世代の星
 宇宙が生まれた瞬間から星があったわけではありません。宇宙の歴史とともに、星は誕生してきたのです。宇宙で最初に生まれた星は第一世代星と呼ばれています。

第一世代の星を構成する物質のほぼすべてが水素とヘリウムによって占められており、炭素やカルシウム、鉄といった重い元素は含まれていないのが特徴です。このような星の存在は理論的に予言されるものですが、実際にはまだ見つかっていません。その誕生の様子が、スーパーコンピュータを使ったシミュレーションによって研究されています。

ビッグバンで始まった高温高圧の宇宙は、急激な膨張とともに冷えはじめ、開闢からおよそ38万年後には宇宙が晴れ上がり、初めて水素とヘリウムの原子とがこの宇宙に現れます。原子はお互いの引力によってだんだんと寄り集まり、水素分子となるような分子の雲を形成し始めます。分子雲の中には、周りの分子雲よりもさらに密度の高い分子雲コアが形成され、その中心では原始星が産声を上げます。周辺のガスを取り込みながらさらに成長を続け、太陽の10倍〜100倍もあるような大質量星として宇宙空間に出現するのです。このような第一世代の大質量星は、数百万年から数千万年程度ですぐに超新星爆発を起こし、さまざまな重い元素を宇宙空間へばらまき、それらの物質が第二世代の星の材料となっていったと考えられます。

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 ⇒ 宇宙の始まりとビッグバン

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