Subject   : ナノメタル(Nanometals)

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 ナノメタル(Nanometals)
金属材料は、ナノスケールで高純度化することにより、バルク金属材料やアモルファス金属材料では得られなかった特性を発揮する。また材料の結晶粒径を微細化することで、強度、靭性、耐食性等が大きく向上する。  

「ナノメタル」とは、ナノテクノロジーを用いて金属材料の構造・組織を約100nm以下のナノメータスケールで制御した材料である。ナノメタルは金属材料を母材とし、それに含まれるナノ粒子(不純物)の組み合わせを制御することにより作製される。   

 金属材料へのナノテクノロジー利用により、金属材料の組成および組織を、超精密かつ超微細に制御することが可能になり、その結果、金属の機械的・機能的特性が飛躍的に向上する。現在、「材料ナノテクノロジープログラム」の「ナノメタル技術プロジェクト 」では、ナノ金属材料創製技術の基盤技術の確立が行われている。その目的は、金属材料の強度、延性、耐食性、電気・磁気特性等を飛躍的に向上させることにある。  

  ナノメタルには、鉄系ナノメタル、アルミニウム系ナノメタル、銅系ナノメタルがある。「鉄系ナノメタル」は、リサイクル性に優れるCu添加鋼を中心とした、ナノ制御新世代複相鉄鋼材料への応用を、「アルミニウム系ナノメタル」は、実用的組成のアルミニウム合金材料を対象として、強度、延性、耐食性等の機能特性の大幅向上を、「銅系ナノメタル」は、雰囲気熱処理や超急速冷却などにより、高強度、高導電率の銅系材料としての応用が可能である。

◆ 応用分野
金属材料の高度化により、Fe系は自動車用高張力構造部材、橋梁用高張力建築資材への応用、Al系は自動車外板へ応用、Cu系はICパッケージ用薄板への応用が期待される。

○ ナノ結晶合金(Nanocrystalline Alloys)
ナノ結晶粒(結晶粒約 10nm)組織を有する磁性材料で、優れた軟磁気特性を示す金属磁性材料である。 鉄・遷移金属系ナノ結晶軟磁性合金は、スイッチング電源、ノイズフィルタなどの磁心の小型化、高性能化を可能にする。
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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