Subject   : メゾスコピック材料(Mesoscopic Materials)

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 メゾスコピック材料(Mesoscopic Materials)
「メゾ(メソ)スコピック」とは、マクロとミクロの中間で、原子よりは大きく、マクロな物質よりは小さい約10nm〜10μm領域を意味する。「メゾスコピック系」には、原子・分子集合体であるクラスターなどがある。

 自然界でメゾスコピックスケールの高分子や分子集合体は、さまざまな役割を果たしている。例えば、DNAの二重らせんは、小さな蛋白質に巻き付いて、更に集まったり、ねじれたりしながら、染色体を作り出している。

 このような複雑な構造を、メゾスコピック領域で人工的に合成できれば、目的とする新素材に仕上げることが可能である。また、物質の機能は、物質の単位である原子の集合状態によって大きく異なるため、メゾ領域の組織を制御することにより、材料の機能を最大限発揮させることが可能である。このような構造をもつ材料を総称して「メゾスコピック材料」という。

 メゾ材料として超高強度金属材料、高性能超伝導材料、耐環境自己修復材料、ミクロン粒子表面改質材料など、多様な機能材料が報告されている。光応答性メゾスコピック構造には、希釈磁性半導体量子井戸や有機色素凝集体などが用いられており、超高速光エレクトロニクス素子への応用が期待される。

◆ 応用分野
種々のメゾ機能材料の開発により、超高速光エレクトロニクス素子、超高感度センサー素子などの、一層高機能な種々のデバイスの開発への応用。 メゾ系での新機能の発現により、新規デバイスの創出への応用。

○ パノスコピック材料(Panoscopic Materials)
原子や分子スケールから、ミクロ、メソ、マクロレベルで順次階層的な組み上げにより構成される組織体のことで、細孔を利用した透過性、微細孔による分子吸着性、ナノ複合化による光触媒活性など、優れた特長を持ち、高性能環境浄化材料や光変換材料への応用が期待される。
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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