Subject   : 自己組織化材料

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 自己組織化材料
 自己組織化とは自己集合と散逸構造を束ねた包括的な概念とされる。自己組織化材料は平衡近傍で形成される熱的に安定な自己集合によって形成された材料を指すことが多い。それに対して、散逸構造は系が平衡から遠いときに形成される、ゆらぎに対して安定な動的定常状態であり、材料化のための研究開発は前者ほど盛んではない。

 自己組織化を利用した材料化手法として注目を集めているのが、分子が弱い相互作用により自発的に集合し、安定な分子レベルの秩序構造を形成する現象である。このような分子の自己集合性を用いると、ナノスケールの素子や部品を、簡単に組み立てることが可能であることから、ナノ構造体を作る重要な手法として認識・利用され、ボトムアップ法の代表的な手法として期待されている。作製プロセスに必要なエネルギーが小さいことも特徴である。この他に自己組織化を利用した量子ドット形成が知られている。

 自己組織化材料としては、機能性超分子、自己組織化膜、機能性高分子膜、機能性LB膜、有機・無機ハイブリッド化合物、量子ドットなどが注目されている。

◆ 応用分野
分子デバイス、ディスプレイ、光記録、各種センサーへの応用
ドラッグデリバリーシステムなど、医療分野への応用
量子ドットなど、情報通信分野への応用

○ 量子ドット(Quantum Dots)
半導体や金属などで作られた微小な粒子である。電子やホールを3次元的に閉じ込めることが可能な、小さいサイズの電子の入れ物で、直径10nmの量子ドットは、およそ1万個程度の原子から構成される。

○ 自己組織化膜(SAM:self-assembled monolayer)
自己組織化膜は自発的秩序形成とも言う。自己組織化膜は、外からの細かい制御を加えていない状態で、膜材料そのものがもつ機構によって形成される一定の秩序をもつ組織をもった単分子膜やLB膜などの超薄膜のことである。この自己組織化により,非平衡な状況で長距離にわたって秩序がある構造やパターンが形成される。
 例えば、エタノールや水などのなかに分子を溶かして金を付けると、分子が勝手に並んでしまう現象が起こるが、これを自己組織化膜(SAM: self-assembled monolayer)と呼ぶ。
レジストと呼ばれる感光剤とか接着とか濡れ性の改善への応用。 分子デバイスとかの応用。 トライボロジーやナノテクノロジーの観点の研究。

  (出典)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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