Subject : ロスビー波
カテゴリー : 気象
ロスビー波
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普段の生活で我々は地球が回転している球体であることを実感することはありませんが、大規模な流れは回転球体の影響をかなり受けています(低気圧の周りで反時計回りの風が吹いているのはその一例です)。この回転球体の影響で高・低気圧は自ら西へ移動しようとする波動として振る舞う性質を持ちます。この波をロスビー波と呼びます。高・低気圧は西へ移動しようとしますが、上空の偏西風はそれを押しとどめようとします。結果として、高・低気圧がその場所にとどまり続けることがあります。この時、偏西風の蛇行が持続して異常気象がもたらされることがあります。なお、高・低気圧が移動しなくても、ロスビー波はその波動エネルギーを東へ伝えて、離れた場所に偏西風蛇行を引き起こすため、異常気象が各地で連鎖的に起こる要因となります。
ロシア上空のブロッキング高気圧を経由して東向きに伝わるエネルギーが日本上空の高気圧まで到達して夏に猛暑をもたらした要因の一つと考えられます。
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<出典:東京大学中村尚教授>
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