TLR4（Toll様受容体4）

　TLR4（Toll様受容体4）は、免疫系が細菌などの病原体を認識するための自然免疫の受容体です。グラム陰性細菌の外膜成分であるリポ多糖（LPS）などを認識し、炎症反応を引き起こしますが、リガンドが過剰になると敗血症（細菌性ショック）につながることがあります。TLR4は、LPSの認識にMD-2やCD14などの補助因子と共役し、シグナル伝達経路を介して様々な免疫応答を誘導します。

TLR4の機能
病原体の認識: グラム陰性菌のリポ多糖（LPS）や、グラム陽性菌のペプチドグリカン層にあるリポテイコ酸などをリガンドとして認識します。
自然免疫応答: 病原体に対する防御反応の開始に不可欠な自然免疫に関わります。
シグナル伝達: LPSに反応して、以下の2つのシグナル伝達経路を活性化します。
MyD88依存性経
路: 細胞表面で働き、炎症性サイトカイン（IL-6など）の産生を誘導します。 TRIF依存性経路: 細胞内に取り込まれた後で働き、インターフェロン-β（IFN-β）などの産生を誘導します。
疾患との関連:
敗血症: 過剰なLPSによってTLR4が過剰に活性化すると、敗血症（細菌性ショック）を引き起こす可能性があります。
自己免疫疾患: 細胞の損傷によって放出される内因性分子（ヒートショックタンパク質など）もTLR4を活性化させ、関節炎などの自己免疫疾患や炎症性疾患と関連することが示唆されています。

TLR4のしくみ
補助因子の必要性: TLR4は、リガンドであるLPSを直接認識するのではなく、MD-2、CD14といった補助因子と複合体を形成してLPSを認識します。
シグナル伝達のカスケード: 複合体の活性化により、MyD88やTRIFなどのアダプター分子がリクルートされ、NF-κBやMAPキナーゼなどが活性化されて、最終的に遺伝子の転写が促進されます。

TLR4は病原体に特徴的な分子を認識するToll様受容体の1つで、グラム陰性菌の外膜の成分であるリポ多糖やグラム陽性菌のペプチドグリカン層にあるリポテイコ酸をリガンドとして認識する受容体である。通常の免疫反応に関わる一方で、リガンドが多すぎる場合には細菌性ショックを起こしうる。

＜出典：AI＞

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　⇒　Toll様受容体（TLR）の種類