Subject   : βバレル型膜孔形成毒素(β-PFT)

カテゴリー  : 学びの館 > 生物学 


 βバレル型膜孔形成毒素(β-PFT)
 β-PFTはほぼβストランドベースのドメインで構成されており、β-PFT単量体が集合してβバレル多量体を形成する。ロイコシジン(Leukocidin)、Etx-Mtx2、エロリジンなどの多くのタンパク質ファミリーの多様な配列を含む。X線結晶構造解析によると、α溶血素とパントンバレンタインロイコシジンの構造は関連している。同様に、エロリジンとクロストリジウムε毒素とMtx2はEtx/Mtx2ファミリーと関連する。

β-PFTには、害虫の防除に商業的に可能性のある化学物質が多い。これらの毒素は強力で、かつ限られた範囲の標的昆虫に対してのみ高度に特異的であり、安全な防虫剤として活用できる。

Etx/Mtx2ファミリーの殺虫性物質には、ヒト疾患の媒介となる蚊を防除できるLysinibacillus sphaericus由来のMtx2とMtx3、ならびに、農業上の害虫防除に有益なBacillus thuringiensis 由来のCry15、Cry23、Cry33、Cry38、Cry45、Cry51、Cry60およびCry74がある 。

Toxin-10ファミリーの殺虫性毒素は、エロリジンとEtx/Mtx2毒素と全体的な構造に類似性を示すが、特徴は異なる。これらの毒素はすべて、頭部ドメインとより大きな尾部ドメインを特徴とする。尾部ドメインは、伸長したβシートで構成される。Toxin_10タンパク質の頭部ドメインは、レクチンのような、炭水化物結合ドメインの特徴を示す。Toxin_10タンパク質の、唯一報告されている自然界の標的は昆虫である。Cry36 [9]とCry78[10]を除いて、Toxin_10毒素は2成分毒素として作用すると見られている。Toxin_10タンパク質のBinAおよびBinBは共に、Lysinibacillus sphaericusのBin殺蚊性毒素で作用する[11]。Toxin_10 Cry49は、イエカ属(Culex)蚊幼虫に対するその活性についてCry48と共依存する[12] 。そしてBacillus thuringiensis Toxin_10タンパク質Cry35は、aegerolysinファミリーCry34と相互作用してWestern corn Rootwormを殺す[13]。この毒素のペアは、SmartStaxコーンなどの昆虫抵抗性植物に含有されている。

<出典:Wikipedia>

 ● 膜孔形成毒素の種類
α型膜孔形成毒素(α-PFT)
溶血素Eファミリー、アクチノポリン、Escherichia coli由来細胞溶解素A
βバレル型膜孔形成毒素(β-PFT)
α溶血素、パントンバレンタインロイコシジン(Panton-Valentine leukocidin: PVL)、種々の殺虫毒素

そのほかの分類方法
2成分性毒素
炭疽毒素
コレストロール依存性細胞溶解素 (CDCs)
ニューモリシン
低分子膜孔形成毒素
グラミシジンA


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