Subject : BPM (ビジネスプロセス・マネジメント)
カテゴリー : ビジネス
BPM (business process management)
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ビジネスプロセスに「分析」「設計」「実行」「モニタリング」「改善・再構築」というマネジメントサイクルを適応し、継続的なプロセス改善を遂行しようという経営・業務改善コンセプトのことです。
プロセスを俯瞰(ふかん)的に制御するためには可視化できることが必要となる。この意味で1980年代から“ビジネスプロセス”を中心に据え、そのモデル化手法(メソッド)、モデル、ツールを一まとめにしたコンセプトを提唱してきたIDSシェアーのモデリングツール「ARIS」が有名である。意思決定支援や業務分析支援の系統に属するツールは“モデリング”や“シミュレーション”の機能がります。
ビジネスプロセスの実行・管理という面ではBPMエンジン、BPM基盤システムと呼ばれるシステムが利用される。この分野のシステムは、大まかに人間が実施する業務や承認、意思決定を含めたビジネスプロセスを管理・自動化する「ヒューマンセントリック」と、システム同士を接続・連動させる「システムセントリック」に分類されます。
前者は、ワークフローシステム、後者はEAIツールから発展してきたものが多い。
EAIとBPMの違いは微妙だが、従来的なEAIにおける接続はA→Bという形なのに対し、BPMはA→B→Cというような多階層的な接続を考慮に入れ、そのプロセスを制御するという発想がある。すなわち、EAIやEDIがメッセージングやデータ連携を中心に考え、接続するシステムの前後関係が明確なプロセスの自動化を焦点としていたのに対し、BPMでは連係を前提とせずに独立して構築されたシステム同士を連係させたり、その連係を組み換えるといった点に力点が置かれる。
このほか、ビジネスプロセスの監視ツール、接続対象となる業務アプリケーションの定義などを管理するレポジトリ(メタ情報データベース)、異機種(アプリケーション)接続を行うアダプタなど、BPM関連の製品にはさまざまなものがある。最近は、SOAベースの製品が増えてきている。
BPM製品を提供しているのは、従来EAIツールを提供してきたベンダのほか、分散オブジェクト・メッセージングミドルウェア、アプリケーションサーバ、ERPパッケージ、ワークフローシステム、あるいはビジネスプロセス図/ビジネスフロー図のドローイングツールのベンダなど多彩である。ただし近年、これらは(企業買収などもあり)次第にスイート化する傾向にある。こうした製品はBPMS(ビジネスプロセスマネジメント・スイート)などという。
経営改善法としてのBPMを行うためには、「業務最適化のためにはどのようなフローであるべきなのか」を事前にしっかり定義しておく必要がある。BPMツールのオペレータは「既存の業務プロセスの可視化」だけではなく、「実現したい理想的な業務プロセスを設計する能力」――すなわちビジネスエンジニアリングや業務デザインの能力が問われる。
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BSC (バランスト・スコアカード)
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