Subject   : 減価償却(depreciation)

カテゴリー : ビジネス


 減価償却(depreciation)
建物や自動車、機械・設備等は、通常かなり高額でしかも長年に亘っ使用可能です。そのようなものを購入した場合、購入費用は資産になります。
資産ですが、使用することによって価値が下がっていきます。この目減り分を費用にしていくことを、減価償却(償却する)と言います。また、減価償却によって費用に回される部分を、減価償却費といいます。

会社であれ個人事業であれ、資産価値の目減り分=減価償却費の額は「適正な方法で計算」するのが会計の原則です。しかし、現実には税法で細部まで規定されているので、ほぼ100%の事業者がこれに従っています。

10年・20年と長期間使用できるものであっても、10万円未満の物は取得した年の費用にすることができます。費用にせずに、減価償却資産にしても良いのですが、通常は費用にします。

また、形があるものだけが減価償却資産(有形固定資産)ではありません。特許権・商標権、コンピュータのソフトウェアーのように形のない物も、上の要件に当てはまれば減価償却資産(無形固定資産)になります。

購入代金の他に、引取運賃・保険料・手数料・関税などの費用が必要な場合、機械・装置等で設置費用が必要な場合は、それらの取得のために必要な費用はその減価償却資産の取得価額に含めます。ただし、自動車取得税、不動産取得税・登録免許税等は、取得価額に含めないで別個に費用として処理することができます。

(取得価額+諸費用)が10万円以上 … の規定ですが、税込経理の場合は税込額で、税抜経理の場合は税抜額で判定します。

平成19年度の税制改正で、有形資産の残存価額は廃止され、取得価額の全額を減価償却することができるようになりました(ただし、廃棄・売却などしない限りは、1円の備忘価額を残す)。

● 耐用年数
何年間使用可能か … これは一概に言えません。例えば全く同じパソコンであっても、使用頻度(営業中は使いっぱなしの事業所もあれば、週に数時間しか使用しない事業所もあるかも知れません)、製品のバラツキによってまちまちです。

耐用年数は、本来は事業者が適正に見積もるべきものですが、税法では法令で決めています。これを「法定耐用年数」といい、種類・用途・細目ごとの一覧表になっています。

● 償却方法
減価償却費の計算は定額法又は定率法によって行います(その他特殊な方法もありますが、稀)。
税法では資産の種類によって、償却方法を定めています。
・無形固定資産 … 定額法
・建物 … 平成10年以降に取得したものは、定額法しか採用できません。
・その他 … 定額法、又は定率法

[定額法]
 取得価額−残存価額/耐用年数
[定率法]
 償却率=1−n残存価額/取得価額
 nは耐用年数

平成19年度の税制改正前 までは、次のように計算しました。
取得価額100万円、耐用年数10年の有形固定資産の場合
定額法
毎年同じ額だけ減価償却します。
(取得価額100万円−残存価額10万円) × 0.1= 9万円

定率法では、毎年同じ率で減価償却します。償却額は初め大きく、徐々に小さくなって行きます。
 ⇒ 事業部制

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