Subject   : イメージインテンシファイア

カテゴリー : デバイス > センサ


 イメージインテンシファイア(Image Intensifier)
 イメージインテンシファイア(I.I.))は、高コントラストな映像増強管です。暗視(監視)用の他、科学技術研究にも使用されています。ゲート動作が可能なタイプは特に高速現象の観察、時間変化の解析(高速運動体の観察、蛍光寿命の観察、生物発光・化学発光イメージング等)に使用されます。

イメージインテンシファイア(以下I.I.)は夜間の月明かりあるいは星明かり下での暗視(監視)用として開発された製品です。極微弱な光(発光や物体からの反射光等)を検知・増倍して、コントラストのついた像を見ることが可能です。主な用途は、夜間監視用のナイトビュアあるいはICCD (Intensified CCD)カメラのほか、科学技術研究に使用されています。ゲート動作が可能なタイプは特に高速現象の観察、時間変化の解析(高速運動体の観察、蛍光寿命の観察、生物発光・化学発光イメージング等)に使用されます。

セラミック製の真空容器の中に、光を電子に変換する光電面、電子を増倍するマイクロチャンネルプレート(以下MCP)、電子を光に変換する蛍光面を近接させることにより、周辺部に歪みのない画像を得るように設計されています。 I.I.は、一般的に世代表示で大別される場合があります。MCPを使用していないタイプが第1世代で、映像増強度は100倍以下程度です。第2世代は増倍部にMCPを使用しています。MCPを1段使用したタイプの映像増強度は約1万倍で、MCPを3段使用したタイプは映像増強度は1000万倍以上になります。 光電面にGaAsやGaAsPのような半導体結晶を使用したものが第3世代です。光電面感度が非常に高いという特長があります。 なお、第1世代および第2世代では電子レンズ系を使ったインバータタイプのI.I.もありますが、画像の歪があるため一般的に使用されていません。
光電面上に結像された光は光電面により光電子へ変換されます。このとき放出される光電子数は入射光量に比例します。 この電子は、光電面とMCP入力面(MCP-in)間の電圧により加速されMCPの各チャンネルに入射します。MCPの各チャンネル内部は独立した電子増倍部が形成されています。入射した電子はMCP両端の電圧勾配により数十回の衝突を繰り返すことにより2次電子が増加して、MCPの出力端より多数の電子が放出されます。MCPによって増倍された電子群は、MCP出力面(MCP-out)と蛍光面間の電圧により加速されて蛍光面に衝突します。蛍光面では衝突した電子量に応じた光が出力されます。入射した光学像に対して約1万倍(MCP1段の場合)に増強された出力像が得られます。

種類 入力窓 メモ
GaAs 硼硅酸ガラス
赤感度増強型GaAsP 硼硅酸ガラス 第3世代
GaAsP 硼硅酸ガラス
InGaAs 硼硅酸ガラス
マルチアルカリ 合成石英
赤感度増強型マルチアルカリ 合成石英
バイアルカリ 合成石英 K2SbCs
Cs-Te 合成石英 ソーラーブラインド・フォトカソード
(Na2KSb)Cs 合成石英 紫外増強フォトカソード

 ⇒ センサの種類

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