Subject   : 光電子増倍管(PMT)

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 光電子増倍管(Photomultiplier)
 非常に僅かな光でも反応する、非常に一般的な光検出器。

 原理は光電管に光電子の多段増幅器を備えた物で、大抵は高電圧で動作します。(1〜3kV程度)光電面に入射した光子によって光電子が放出され、これが電位で加速され二次電子を放出し易い電極に衝突すると、更に多くの電子を放出し、更にそれが・・・となだれの様に次々に段階的に増幅されて最後に陽極に衝突して検出電流として得られます。大体、10段階位で増幅されて、最初の光電子の100万〜1000万倍の二次電子量に増幅されます。全て封じ切りの真空容器内で増幅される為、後でOPアンプ等で信号増幅する場合に比べて格段にS/Nが良いです。ちなみに光電子「倍増」管と、呼び間違えてはいけません。

 これの大きいやつを、いっぱい並べた装置(カミオカンデ)を使って小柴昌俊さんはニュートリノを観測しました。ニュートリノそのものを見たのではなく、ニュートリノが気まぐれに水を励起するのでその時の微弱な発光(チェレンコフ光)を光電子増倍管で見たわけです。

 逆に光電子増倍管の多段増幅部のみの小さいやつを、蜂の巣の様に並べた物はMCP(マイクロチャンネルプレート、マルチチャンネルプレート)と言われます。二次元的に捕らえて増幅するので、信号強度が上がるばかりではなく、その後ろに蛍光体とCCDを置く事で二次元イメージ像を得る事が出来ます。そのままだと真空紫外光や、電子、イオンの検出だけですが、MCPの前に光電面を置くと高感度に可視光や赤外光のイメージング像を得る事が出来、それを一般にイメージインテンシファイアと呼びます。

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 ⇒ 光ネットワーク用デバイス

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