Subject : パイプ流
カテゴリー : 地球科学
パイプ流
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多くの山地斜面においてパイプ(soil pipe)と呼ばれる斜面にほぼ平行な大孔隙の存在が確認され、斜面の雨水流出機構に大きな影響を及ぼす事が明らかにされています。また、パイプによる選択流(パイプ流)が崩壊発生に関与している可能性も指摘されています。
崩壊地ではしばしば尾根筋にパイピングホールが観察される。浅井戸の正体は尾根筋に形成されたパイプ流のようである。パイピングホールは、風化の境界部(強風化層と風化層の間の強風化層側)にできていることが多い。風化境界は透水性の境界でもある。
パイプ流は、地中に張り巡らされた血管のようなものである。人間の体の血液が心臓からでて全身に浸み込んでいるわけではないように、雨が地面に入っても一様に浸み込んで流れているわけではない。
パイプ流は普段は地盤に優しい。天然の地下水排除工だ。地中に浸透した雨はパイプに集まり、その大半がパイプを通って斜面外に排出される。この機能によって普段の雨では崩れずに済んでいる。
しかし、豪雨の時は状況がかわる。パイプの処理能力いっぱいの水は、被圧水となり、ものすごい圧力が生じる。その圧力は、パイプ最上部の位置の水頭だから、山が大きいととてつもなく大きい。岩盤でも吹き飛ばせるだけの圧力を持つ。
人体でいえば、血圧が上昇して血管が破裂するという状態に似ているかもしれない
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