Subject   : ホモ・エレクトゥス(原人)

カテゴリー  : 歴史  


 ホモ・エレクトゥス(原人)
 猿人に次ぐ化石人類の段階。ホモ・エレクトゥス。出現時期には240万年前と、180万年前の見解の違いがある。アフリカで進化し、ユーラシア大陸に広がった。

 地質学上の更新世にあたる約180万年前に、猿人に続いて出現した化石人類で脳容積を増大させたホモ属に含まれ、学名はホモ・エレクトゥス(直立した人、の意味)という。その化石は猿人と異なり、アフリカから出てヨーロッパからアジアまでの旧大陸にに広く分布しており、ジャワ原人、北京原人、ハイデルベルク人などがその例である。おそらくアフリカで猿人段階から進化を遂げた一部が、脳容積を増大させる契機を掴み、「火の使用」を獲得することによって、生息範囲を広げることができたものと思われる。

 猿人の出現時期もどんどんさかのぼっているが、原人も同様で、約100万年前から30万年前までを活動時期とする説もある。数年前までは原人の出現は50万年前とされていた。

 原人段階の人類は、脳容積が増大し、火の使用・言語の獲得・石器製造技術の発達(ハンドアックスの出現など)など、飛躍的な「文化」を形成している。しかし、この原人と現代の人類(新人)の関係については、絶滅して現在につながっていないという説と、現在のアフリカ・ヨーロッパ・アフリカの各民族の祖先となったという説があるが、現在は前者が有力である。また、言語の使用に関しては、最近では疑問が提出されている。

● アフリカの原人、トゥルカナ・ボーイ
 1984年、ケニアのトゥルカナ湖畔でリーキー一家によってほぼ完全な原人化石が発掘された。約160万年前から蘇ったのは少年だったので、トゥルカナ・ボーイと名づけられた。身長はすでに160cm、大人になれば180cmに達したのではないかと言われている。脳は880cc、大人になれば900ccだろう現代人と代わらないスラリとした体型をしていた。大きな歩幅はハイエナと草原で競争しても負けなかっただろうし、彼らがアフリカ大陸から出て世界中に広がる原動力になったと考えられる。彼は猿人のルーシーと並んで化石人類のスターとなった。

  ⇒ 人類の進化
  ⇒ 世界史年表

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